⚠️この話はポケモン×カンヒュのクロスオーバーです。
※日本と韓国の手持ちポケモンが全部出てきます。
(全部主の独断と偏見で決めました)
夢を、見ていた。
「ここは……?」
辺り一面を覆い尽くす様に広がる白、白、白。
何だかふわふわした感覚に、
何故だか少しばかりの安心感が湧いてくる。
『@&jg&/)-!vs?zあ*○yf』
頭の中に、意味不明な言葉が入ってきて反響する。
思わず額に手を当てたその時。
「………..!君は……」
目の前に、見覚えのあるシルエットが浮いていた。
それは白くて小さい、謎の深い生き物。
生き物は、此方を真っすぐ見つめてこう鳴いた。
『みゅぅ!』
「んん………..」
ぱち、と白いシーツの上で目が覚めた。
「ここは……?というか僕は今まで何して…」
そこまで呟いた所で、近くから誰かの寝息が聞こえてくるのに気付いた。
横を向いてみると、そこに居たのは……
「…………….アメリカさん?」
寝息の主はアメリカさんだった。
今はサングラスも外していて、欧米人特有の整った顔立ちがよく見られた。正直眼福すぎる。
イケメンは寝ていてもイケメンなのか….と、心の中で勝手に納得する。
だがこのままにすると風邪を引きそうだ。
そう思って、ベッドから手を伸ばして優しく揺すってやる。
「アメリカさん、アメリカさん」
すると、すぐに唸りながら目を覚ましてくれた。
彼の青い瞳が私を映し出した……と思ったその時だった。
「ッッ……!!!!」
ぐいっと引き寄せられ、そのまま強く抱きしめられた。
「ひゃっ……!?」
幸い、怪我が酷い頭や足は上手く支えてくれているようだったので、痛みは感じなかった。
「あ、アメリカさん……?いきなりどうし「良かった………..」えっ、えっと…?」
よく見ると、アメリカさんは大粒の涙を流していた。
「お前……ずっと、目も覚まさなかったんだぞ…!!この俺が…何回呼びかけても駄目でっ、もうずっとこのままなんじゃねぇかって、それで……ッ(泣)うぅう~~~~~~~ッ……!」
そのままアメリカさんは、私を抱きしめたまま
泣き出してしまった。
大きな声で、嗚咽も涙も鼻水も何もかも漏らしながら。
「……落ち着きましたか?」
「ん…」
アメリカさんが泣き止むまで
私は謝罪の言葉を並べながら、彼の背中をずっと撫でていた。
こんなに心配してくれているなんて知らなかった。
寧ろ、何であの生き物を殺さなかったのかと難癖付けられるものかと……
「ぐすっ……(泣)ごめんなぁ、Japan…
お前にばっかり危ないことさせて………..」
「いえそんな、とんでもないです…
私と韓国さんくらいしかポケモンに詳しくないですし、何よりアメリカさん達に行かせる訳にはいきませんから!」
「お人好しが過ぎるんだぜ……」
はぁ、と呆れたような安心したような感じでアメリカさんは苦笑いした。
「それよりにゃぽんと韓国くんは大丈夫だったんですか?
特に、にゃぽんにはまだバトルさせる気は無かったので結構心配なんですが……」
「にゃぽんなら大丈夫だぜ。酷い怪我もしていなかったし……だが」
アメリカさんの表情が暗くなる。
「韓国が結構な重症でな…
にゃぽんの話だと確か、”ウツロイド” って奴にやられたとか……」
「ウツロイドに!?!?」
日本の顔色が一気に変わり、アメリカの肩を強く掴んだ。
どうやら、日本が戦ったモンスターと同じようなものなのかもしれない。
「お、おい日本暴れるな!傷が開いちまうぞ」
「そんなこと言ってる場合では……!!
…やはりウルトラホールは開いていた?我が国の調査班に依頼…いや、班員さん達だけで行かせて犠牲者が出たら………..」
深刻そうな表情でブツブツと呟く日本。
どうしたものかと考えあぐねていると、病室のドアが開いた。
「おいアメ公。日本の様子は……って」
「あ、日帝」
入ってきたのは日帝だった。…しかしどこか様子がおかしい、と2人して思っていると、
彼は日本とアメリカの間に割って入って刀を抜いた。
「米帝!!!!」
「なっ何だ何だぁ!?!?」
「父さん何してるんですか!!今すぐ刀を下ろしてください!!!」
「貴様…..日本に何をしている………..」
「何って何も………..あ」
そこでアメリカは気がついた。
多分日帝はとんでもない勘違いをしていると。
「何故貴様は日本を正常位の体勢で座らせているんだと聞いているんだ!!」
「誤解だ日帝chan!!!これはS○Xしてたんじゃない!!!!」
「大きな声ではしたないこと言うんじゃありません!!!!///」
カオスである。(二度目)
韓国の病室:
ベッドに横たわる韓国の隣に、兄は静かに座っていた。
「………..おい、バカ弟」
ぶっきらぼうな口調ながらも話しかけてみる。
しかし返事はない。
いつもならば鬱陶しいほどの歓声を上げてこちらに抱きついてくるというのに。何で、何で、何で何も返してくれないんだ。
「さっさと、起きろよ」
静まり返った空間に、震えが混じった声が虚しく響いた。
直後、部屋のドアがノック無しに開けられた。
「北朝鮮〜?韓国の容態は?」
入ってきたのはにゃぽんだった。あの摩訶不思議なモンスターも連れている。
「……見りゃ分かるだろ」
「まだ目覚まさないか…どうしよう」
にゃぽんの猫耳がしゅん、と垂れる。パートナーであるニンフィアは、心配そうに彼女の腕に触覚を巻き付けた。
……….これだけ心配しているというのに、まだ目を覚まさないのか。このバカは。
「パチチ……」
「ぴかぴ、ぴかっちゅ!」
韓国の相棒であるパチリスや、日本の相棒であるピカチュウはベッドによじ登って様子を見ている。時折、頬っぺをつねったりしているようだが、それでも全く目覚めない。
……まさか、もう目覚めないとでも言うのか?
そんな…………なんで、そんなことに……
「なぁ……ちゃんと、目ぇ覚めるんだよ、な….?」
北朝鮮の震え声に、にゃぽんの肩がビクッと跳ねる。だがそんな不安を振り払うかのように、一際大きな声で宣言する。
「っ……絶対目覚めるよ。
韓国はこんな所でくたばったりしない!!」
よく見ると、にゃぽんの赤い瞳に薄らと水膜が張っていた。しかしそれを誤魔化すかのように、ゴシゴシと袖で強く拭う。
その様子を見ていたポケモン達の表情も不安に染まっていく。まるで、「本当にこの子は起きるの?」と言わんばかりの表情で。
部屋の雰囲気が重くなりだしたその時。
チェリムが寝ている韓国のお腹に飛び乗った。
「ちぇりぃ……」
ひらひらと花弁をはためかせ、何やら力を溜め込んでいる。
「?チェリム….?何を、」
声をかける間もなく。
「ちぇりぃ〜〜〜〜〜〜〜!!」
カーテンの隙間から射し込む日差しが、更に強い光を帯びて韓国に降り注いだ。
北朝鮮とにゃぽんは、その神々しさで一瞬思考停止してしまった。が、すぐに我に返った北朝鮮はチェリムの元へ駆け出す。
「な、何をしたんだ……?」
「…………….今のまさか、”あさのひざし” ….?」
「おいにゃぽん!今の光はなんなんだ!?」
未だ放心状態のにゃぽんに声を掛けると、隣からゴソゴソと物音がした。
「………..は?」
「んん……もうキムチたべられにゃ………..あれ?」
何と、韓国が起き上がっていたのだ。
「あれーっここ何処?パチリスとブラッキーは??………..って、北!?」
なんでここにいるの〜?と呑気な質問をしてくる韓国に、北朝鮮の中の何かがキレた。
「ねぇ何で北がここにいんの!?僕さっきまでウツロイドと……」
「うぅぅぅうっ……(泣)」
ボロボロっと、黒い瞳から涙が溢れ出す。
「ゑ」
「てめぇっ、このバ韓国ぅ……ッ(泣)なに勝手にぶっ倒れてんだよぉ….!」
「ちょっちょっ…!?泣かないで!?何か罪悪感しかないんだけど!!」
「うぅっ、ほんとによ” か” っ”だぁ” 〜”(泣)」
「わーっわーっ!!にゃぽんもそんな目擦らないの!!カワイイ顔が台無しだよぉ〜!!!」
一方その頃……
「国連ちゃん♥」
自室で書類整理をしていた国連に話しかけたのは背中に「FBI」と記された防弾着に身を包んだ男。
アメリカ合衆国が誇る連邦捜査局…..FBIは、気だるげな表情で国連の肩に腕を回した。
「日本が目を覚ましたってよ。韓国はまだだけどな」
「存じていますよ。それより何か御用で?」
「アイツら、 “処分” しちゃダメなのか?」
振り返って見てみると、FBIは黒い笑顔でこちらに微笑みかけていた。
こういう時の彼は何をしでかすか分からない。
「……日本さんと韓国さんは彼らのことを気に入っていたようですが?」
「そんなん知ったこっちゃねェな。
俺がやったってバレなきゃセーフだろうが」
「何とまぁ….安直すぎですよ」
「俺は誰よりも狡猾で賢いというのに?」
ニヒルな笑みを浮かべた彼は、国連から離れて近くの観葉植物をいじり出した。
こんなふざけた奴が世界直属の警察機関なのだから、世の中本当に分からないものである。
そして彼は、貼り付けたような愛想笑いで再度国連に話しかけた。
「何か策はあンのかよ?国連サマ」
ぐしゃ、と音を立てて観葉植物の花が散った。
なんて凶悪そうな顔。このまま放っておいたら、数多くの国の心情すら無視して殺戮を始めてしまいそうだ。
……しかし、そうはさせない。
「全く、喧嘩っ早いのは相変わらずのようで。
………..策くらい練っていますよ。
今からそれを世界へ説明する所なんですから。」
そう言った国連は、立ち上がってスーツの皺を直し始めた。
日本side:
「にっほぉおおおおおおんんんん!!!!!(泣)」
誤解が解けて日帝が帰った後、
鼻水と涙まみれの崩壊した顔面で、中国は日本に思いっきり抱きついていた。
「う” っ……!!!!」
「おい中国!!日本が苦しがってるから離れろ!!!」
「え” !” ?” まっまさか傷開いたアルか!?ごめんアルゥううううううう日本んんんんんんん!!!!!」
ロシアは中国を宥めるのに大変そうだ。そして横では、そんな共産組をジト目で睨んでいるアメリカが座っていた。
「何でお前らも来たんだよ」
「兄が弟を心配するのは当然アル!!というか美国は邪魔アル帰れヨ」
「は???」
んだとこの異民族排斥野郎!!!!と怒鳴ったアメリカに、中国がポリコレ厨差別大国が!!!!と応戦して取っ組み合いになる。
そんないつもの光景を無視して、ロシアは日本の横に腰掛けた。
「ったく、あいつら人の病室で好き勝手やりやがって」
「ふふっ…お二人とも相変わらずですね」
少し困ったような笑みを浮かべる日本。その笑みに混じった不安に、ロシアはすぐ気づいてしまった。
「………..日本」
「?はい、なんでしょう」
「俺は──────」
ロシアが言いかけたその時、病室のドアがノックも無しに開けられた。
「Hey, 日本ちゃん?もう起きたかな」
「FBIさん!」
病室に入ってきて否や、すすすっと日本に歩み寄って肩を抱くFBIに、ロシアは不快感MAXの顔で睨みつけた。
その視線に気付いたのか、FBIは性悪そうな表情でロシアにも声を掛ける。
「あっれぇー、ロシアも居たんだ?影薄すぎて気づかなかったぜ」
「よぉ、久しぶりだな。相変わらずアメ公に似てヤバイ屑っぷりじゃねぇか」
「クソ社会主義のテメェよりマシなんだがなぁ」
「黙れ。自由の名の元で暴挙を繰り返すお前らに文句は言えねぇぞ」
バチッと二人の間で火花が散る。そんな様子に見兼ねたのか、中国とアメリカも日本の傍に戻ってきた。
「FBI、何の用だ?」
「国連ちゃんから伝言っす。また会議やるっぽいんで日本ちゃんも連れてこいと」
「断っとけよ」
「出来ることならそうしたかったっすわ」
「あ、あの、私は大丈夫ですからお二人とも殺気を抑えて……(泣)」
世界最強の警察機関と大国の機嫌が悪くなれば、当然日本はビビる。
不安そうな声音で察したのか、二人は瞬時にいつもの陽気なスマイルに戻って声高らかに告げた。
「さーてと、行くか!!」
「勝手に仕切ってんなヨ。……ったく」
会議場:
沢山の国が集まり行われる世界会議。
ざわざわと話し声が充満する会議場に、日本達が足を踏み入れると一気に視線が刺さった。
「おい見ろよ、日本さんだ….」
「あんなモンスター達を従えるなんて、流石東アジアの大国だな」
「随分怪我してるけど会議に参加するのかな….?」
周囲からの好奇の目に、思わず下を向いてしまう。しかしアメリカと中国が各国に睨みをきかせると、視線は少し少なくなった。
大国ってすごい。
「おい、日本は見せもんじゃねぇぞ」
「視線がクッソうるせぇアルなぁ….?」
アメリカの威嚇と中国の呟き。視線が減ったどころではなく一斉に目を逸らされた。
「御二方!!皆さんに対して無闇に威嚇するのはやめてください」
「国連さん!」
トレードマークの真っ白なスーツに身を包んだ国連は、心配そうに日本の元へと寄ってきた。
「日本さん。この度は大変助かりました。
世界一同、感謝しております」
「いえいえそんな!顔をあげてください、それに早く会議始めましょう!」
「う….それもそうですね」
空気を読んだ各国が席に着く。日本はアメリカに手招きされたので、隣に腰を落ち着けた。
国連が咳払いして壇上に立った。そしてよく通る声で告げる。
「皆さんに集まってもらったのは他でもない、ポケモンの事です。
今回は彼らに関する重大発表をします。落ち着いて聞いてください──────」
“この騒ぎには、伝説のポケモンとやらが関わっているそうです。”
to be continued……
コメント
9件
すきです((((((((((?))))))))))
神作書ける人はほんとに凄いです。尊敬できます! 頑張ってください!
伝説のポケモンかっこいいよな( ◜ω◝ )