この話はポケモン×カンヒュのクロスオーバーです。
最後ちょぴっと意味深。
“この騒ぎには、伝説のポケモンとやらが関わっているそうです。”
国連の発言に、各国間でざわつきが発生する。
伝説のポケモンとは何だろうか。名前からして壮大だが、まさか街を襲ったポケモンよりも強いのか?
そんな奴ら、どうやって対処すれば……
各国の不安が募る中、ある一つの国だけは目を輝かせて復唱していた。
「伝、説……!?」
そう。皆様ご存じの我らが祖国だ。
隣に座っているアメリカはそんな日本をドン引きして見ているが、気にせずに国連に質問する。
「国連さん!!!!彼らはどこにいるんですか!?✨️」
「に、日本さん……???
まだ分かってはいませんが、何故そんな熱視線を…」
「え?捕まえるためですけど………..」
は??????
今なんつったこの島国?捕まえる???名前聞いただけでも如何にもな感じの化け物を????
アメリカと中国が息してない!!!と一部で悲鳴が飛ぶが大半の国は無視だ無視。
一瞬で凍りついた場の雰囲気に、日本はあわあわしている。可愛いけど今回はダメだったようだ。
「正気ですか貴方!!!!名前からしてとんでもないバケモンですよ!?!?!?」
「化け物でも手懐ければ心強いパートナーですよ。大丈夫です!」
イギリスの悲鳴も軽くいなす日本。阿鼻叫喚と化した会議室を諌めるように、今度は国連がゴホンと咳払い一つして質問する。
「しかし、どうやって捕まえるつもりで…?
聞いたところあのモンスターボールでは捕まえられない時もあるとの事でしたが、ハイリスクなのでは……」
「それなら心配要りませんよ。
我が国はポケモンの研究を大分進めたところなので、そろそろ “あのボール” も出来上がっている頃かと──────」
あのボール?と国連が首を傾げたその時。
ドッカァーーーーーン!!!!!!
「きゃぁあぁぁぁぁなんですか!?!?」
「ごめんなさい遅れましたぁ〜〜〜!!ってコレもう始まってる!?」
「見りゃ分かんだろ….ったく、EUが教えてくれなかったらもっと遅れる所だった」
「まーまー!ギリセーフっしょ」
凄まじい破壊音と共に、3つの化身が会議場に乱入した。
国々が何事かと目を向けると、そこに立っていたのは東アジアのあの3人。
「にゃぽん!韓国!!」
「北朝鮮!?」
台湾と中国が揃って声を上げる。
対して日本は、「やっと来ましたね」と微笑んでいる。
どうやら彼だけは初めから分かっていたらしい。
「韓国くん。怪我は治ったんですね」
「にゃぽんのチェリムのおかげでな。”あさのひざし” してくれたから」
「そうですか。
……そういえばにゃぽん。ここへ来る途中、研究家の方から何か貰いませんでしたか?」
名指しされたにゃぽんは、コクリと頷いてポケットの中から何かを取り出した。
「”コレ” のこと?」
それはいくつかのモンスターボールだった。しかし、色合いがどれも異なるような…
興味津々に見つめる国達に向けて、日本が資料に目を通しつつ説明を始める。
「モンスターボールとひとくちに言っても、実は特別なボールは沢山存在するんです。
例えば、このスーパーボールはモンスターボールよりも捕獲率が高いボールで…..」
にゃぽんからボールを受け取った日本は、全員に見えるようにボールを高く掲げた。
青を基調とした配色に、赤い線が特徴的だ。
「そしてこちらはハイパーボール。捕獲率がもう一段階上がったものです」
このボールはスーパーボールの黒と黄色verっぽい配色で、今までのボールの中でも一際クールなデザインだ。
確かに、そこら辺のポケモンならこれを投げただけで捕まえられそうである。
「更に、捕まえたポケモンが懐きやすくなるゴージャスボールに、
水の中のポケモンを捕まえるのに有利なダイブボール、
デザインが特別仕様のプレミアボールが開発されました。」
日本の説明に、韓国は遠い目をした。
自分と同じポケモン強豪国でありながら、現時点では技術力が圧倒的にかけ離れている。
やはり開発国というアドバンテージは想像以上に大きかったのかもしれない。
「ボールだけではなく、現在我が国はスマホロトムやホロキャスターの商品化….
ダイマックスエネルギーの研究、ポケモン図鑑の作成も完了致しました。」
「日本….進みすぎじゃね?僕ん所はまだホロキャスターの一般化とポケモン図鑑完成までしか終わってないんだけど……」
日韓が真剣な表情で会話を交わす中、全ての国は全く会話についていけていなかった。
ポケモン図鑑はまだ分かるがホロキャスターとかスマホロトムとは何だ?ダイマックスエネルギーに関してはもう何が何だか分からない。
そんな各国の様子を察したのか、にゃぽんが此方を振り返った。
「お兄ちゃん、韓国。皆にもちゃんと説明してあげて」
「あぁ、そうですね。
今から説明資料をお配り致しますのでそちらを拝見なさってくださいな」
資料を見て、説明を聞いて分かったことは一つ。
ポケモンに関することは非常に複雑!!!!
欧州もアジアもアフリカ諸国も、頭の中に?しか浮かばなかった。
モンスターボールの構造は物理法則を無視できる高度技術を使用しているし、ホロキャスターやスマホロトムに関しては機械に強いドイツですら困惑していた。
ドイツが分からないなら自分に分かるわけないと、ヨーロッパの国はそこで諦めた。
現時点のポケモン最強国家・日本の同盟国であるアメリカも、資料と睨めっこしてはため息をついて「I can’t understand!!!!!!」と発狂する始末。
カナダとキューバは首を縦に振った。
ロシアと中国も眉間に皺を寄せて必死に考えていたが、
「ポケモンは危険だけど優しい生き物」という日本の一言が理解出来ずに撃沈した。
街を暴れ回る奴らが優しくあってたまるか!!
会議はとんでもなく難航した。
「えーっと…..もしかして全然分かってない感じ?」
「か、韓国くんってばそんなハッキリと…
仕方ありませんよ、少しずつ知識を付けていきましょう!」
あたまぐるぐるー….というパラオの声が虚しく響いたところで、国連が説明を中断させた。
「いっぺんに言っても理解するのは難しいかと思います。
日本さんの言う通りに、少しずつ知識を身につけてこの危機を乗り越えましょう!」
未だ混乱する国達を置いて、会議の幕は降ろされたのだった。
「日本さん」
会議も終わり、帰ろうとした日本を呼び止める者がいた。
「……国連さん?」
「呼び止めて申し訳ございません。日本さんには話しておかないと、と思いまして」
国連の真剣な表情に身が引き締まる。心を落ち着けて話に耳を傾けた。
「何でしょうか?」
「先程の伝説のポケモンについてのことで少し….」
「あぁ、さっきは話遮っちゃってすみません…」
「いえいえ。今ここで話せばいいだけの事ですし問題無いですよ。
それでこちらなのですが……」
そう言って彼が見せてきたのは、かなり古そうな紙….それも巻物だ。
1000年は経っていそうなシロモノである。
「WHOにポケモンの調査を依頼したところ、コレを見つけました。
ただ書いてある言葉が日本さんの所の古代文字でして….解読できますか?」
「どれどれ……
恐らくこれは平安時代くらいですかね?読み上げてみます」
『
20XXネン、 神々 天罰ヲ下スベシ 。
愚カナ ニンゲン達 彼ラノ手ニテ
亡──────
ニンゲン、 数多シス 。
然シ、 世界に “英雄” 現ル。
“英雄” 、夢見タリ 。
造ラレタ 命 、”英雄” ト 話ス。
“英雄” 、 命ヲ 手二入ルル。 世界 、救 。』
……損傷が激しく、読めたのはここまでだった。
「英雄….誰のことなんでしょうか?」
「…………….」
「ありがとうございました日本さん。早速また調べてきます」
国連が立ち去っていくのを眺めながら、日本はあの夢について思い出していた。
造られた存在である、あのポケモンが出てきた夢を。
あの子は一体、何を伝えようと……?
「…………….英雄夢見タリ、か。」
『みゅう!』
コメント
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好きっす!!!!(^p^) もう物語の構成が神すぎて...😭😭😭
旅行で山奥行っててハート押せなかったぁぁぁ!! 今回もマジで神すぎましてよお姉様!!
神ですね(^p^)