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ー殺人鬼の子でも桜のように舞い散れるー
「えっ!?桃くんが道案内!?」
俺は赤の教室に行き、学校案内することを伝えた。赤は驚いているようだった。
「うん。だから今日は一緒に帰れないかも」
「えー!!俺も一緒にやるよ!!」
「それは、、、流雨さんに聞かないとだから」
俺がそう言うと後ろから気配がした。
「僕は別にいいですよ?」
後ろの人物が口を開く。どうやら流雨さんのようだ。
「えっ!?いい、、、んですか!?」
赤は驚いたように言う。流雨さんは少し微笑みながら、
「はい!大人数の方が楽しそうですし!」
「あと、宮麻さんのお友達なんでしょう?」
流雨さんはそう俺に聞く。俺は小さく頷いた。
「それなら、貴方にも手伝ってもらいたいです!」
「うぅ、、、ありがとおぉぉぉ」うるうる
赤は感動したようでうるうるとしてお礼をした。
「あっ!紹介したほうがいいですね!」
「僕の名前は流雨黄です!よろしくお願いしますね!」
「あっ!俺の名前は、紅絢赤(べにけん りいぬ)です!よろしくね!」
「はい!よろしくお願いします!」
そう2人で軽く自己紹介をしたら、学校案内に取り組んだ。
「えっとねー、ここが音楽室でしょー。そしてこっちが美術室!!」
赤の方が学校には詳しいため全て説明する。俺はあんまり学校のことは覚えていないため、正直助かった。
「ーーーーーー!」
赤が色々案内している中、俺は考え事をした。
どうやったら、アイドルになれるのだろうか。あの警官は元気なのだろうか。あの夢は、どうして見たんだろうか。
全てが疑問で、訳が分からなくなる。答えは全て、、、無さそうだ。
「、、、」
「そしてここが屋上だよ!!」
「ここは普段は立ち入り禁止なんだけど、毎週金曜日は特別で、ここが空いてるんだよ!」
「わぁー!そうなんですね!」
「せっかくだしさ!入ってみよっ!」
そう言い、赤は屋上の扉を開けた。赤も流雨さんも目を輝かせて、「すごい」と零していた。
「、、、」
ー綺麗だなぁ。
「屋上なんて始めてきたよっ!」
「まあさっき、普段は空いてないと言ってましたもんね!」
「、、、、、」
「空いてない訳ちゃうぞ?」
「んえっ!?」
「!?」
「、、、?」
声がした方を振り返ると、そこには先生がいた。
「び、ビックリさせないでよー!」
「すまんすまん。屋上に入ってく奴らが見てたもんでな。」
「そ、それで、普段空いてない訳じゃないのは?」
「あー、そのまんまの意味やで。普段からここは空いとるけど、金曜日は特別なことが起きるだけなんよ。」
「と、特別なこと?」
「おん。まあそれは時間が16時くらいになったらな。」
「、、、」
「えっ、き、気になるぅ、、、」
「ほんなら16時まで待っとったらええんとちゃう?」
「あっ!確かに!」✨️
赤はそんなことを言って目を輝かせた。
「、、、16時まで、待ってていいのか?」
普通に気になったため、先生に聞いてみた。
「おん。俺は構わへんで。付き合ったるわ。 」
「まあもし他の教師になんか言われたら、俺が全部責任とったるわ。」
「、、、」
先生はそんなことを言って太陽がある方をずっと見ていた。
「、、、?」
自然と胸がとくとく言い始めた。多分鼓動が早くなっているのだろう。
多分、この身体の主の恋心のせい、だな。
「うっ、!!」
急に赤が声を出して苦しみだした。
「、、、?大丈夫か?赤」
そう聞くと赤は、
「お、お腹が、痛い、、、」
そう言い、その場に膝まづく。
「、、、多分、弁当の食いすぎ。」
「えっ?そんなに食べたんですか?」
「多分赤のことやし、10個ぐらい普通に食べたんとちゃう?」
「ふっ、あ、甘いね。12個、だよ。」
「いや変わらないと思います、、、が、大丈夫ですか?」
「す、少し、お花を積みに、、、!」
「あっ、付き添うで。」
「ありが、とう。」
そう言い急いで御手洗に向かった。
「、、、」
「そんなに、食べるんですね、、、 」
流雨さんと2人っきりになってしまった。正直すごく気まづい。
「あっ、そういえば聞いて欲しいんです!」
「実はーーーーー!」
流雨さんは俺との時間が無言にならないために色々な話をしてくれた。
が、俺は自分のことでいっぱいいっぱいで考え事をしていた。
「、、、」
「、、、」
とうとう2人とも無言になってしまう。
「、、、あの、桃くん。」
流雨さんに話しかけられても、俺は反応することが出来なかった。
「、、、聞いてます、か?」
流雨さんはそう言い、俺の顔を覗き込む。
よく見たら流雨さんも、すごく整っている顔の人だ。
少し薄い檸檬色の髪と、普通の黄色より少し暗めの茶色っぽい目をしている。顔は声に似合わずとてもカッコイイ顔をしている。制服の胸あたりには、 向日葵のブローチをつけているようだった。
「、、、そのブローチって、、、」
「あー、これは親の形見です」ニコッ
「形見、、、?」
これは、不味いことを聞いたか?
「はい。一応、そうですね。」
「、、、ごめん。」
「?いいえ、全然大丈夫ですよ?」
「僕、両親のことを恨んでるんです。僕のことを産んだくせに全然育てずに虐待までしてきた事、、、。」
流雨さんはそう言いながら目の色を変えた。何故だがすごく怖く見えた。
「だからこれは形見なんですけど、ほぼ彼奴らの罪を忘れないための物みたいな役目をしてます」ニコッ
「、、、そっか。」
此奴、下手すりゃ俺より殺人鬼に似合ってんじゃね?と思ったが、口に出すのはやめた。
「、、、ねえ、宮麻くん。」
「?」
「、、、昔、僕と会ったことありませんか?」
「、、、え、?」
いきなり何を言い出すと思ったら、一応主は別にこの人と会ったことは無いようだけど、
それなら俺か?前世とかで会ったのか?いやだが、同じ転生者でしかも前世の時も一緒の世界だったなんて、都合のいい事ある訳ない。
「、、、」
「、、、違うんです。僕も変だと思っているんです。だけど、どうしても会った事があるよう な感じがするんです。」
「、、、」
いくら考えても答えが出ない。前世でこのような奴はいたか?
「ーーーーーー!」
「ーーーーさん!」
、、、1人、変な奴はいた、気がする。
でも、どうやっても、思い出せない。
お前は、誰だ?
「、、、」
「、、、」
「、、、すみません。困惑させてしまいましたね。」
「また今度、じっくり思い出してみてください。それで思い出せなかったら、きっと僕の思い違いです。」
「、、、わかった。」
もう、流雨さんと目を合わせられない。ただただ沈黙の時間が続く。
この時間が、俺は嫌いだ。
「、、、あの、宮麻く((」
「帰ってきましたー!!!」
「!?」「!」
赤が急に帰ってきて大きな声を出すものだから流雨さんも俺もビックリしてしまった。
「、、、なんか、気まづい雰囲気だね?どうしたの?」
「、、、別に。」
「、、、はい。大丈夫ですよ」ニコッ
「そ、そう?じゃあいいや!」
「おっ、もうそろそろ16時になりそうやで」
先生がそう言うと皆一斉に太陽の方に向く。
「よぉく、太陽の方を見とくんやで」
「、、、!」
「わぁ!!」✨️
「、、、凄い、です」✨️
16時になると太陽が屋上の旗と重なって、旗の模様が光って見える。
旗の模様は日本の国花である菊の花が描かれており、重なった太陽が背景となっているようだ。
太陽の光に当たっている菊の花は凄く綺麗で、太陽の光で色が滲んでいる。
「、、、本当に、綺麗だな。」
綺麗な景色に照らされて、きっと俺達も輝いている。
日本の国花の菊の花も、俺に付いてるサクラも太陽に照らされ光り輝く。
この花達に置いてかれ、1人で浮いていく。
きたない少年は、光に潰され消えてしまった。
「殺人鬼さん!」
「、、、また来たのか?お前」
「はい!どうしても会いたくて、、、」
「、、、?」
「あの、僕のこと」
「、、、お前もか」ボソッ
「?」
「、、、俺になんで皆殺されたがる?」
「、、、それは、貴方の事が好きだからです。前に言っていた男の子も貴方の事が大好きだからでしょう。」
「現に僕も貴方の事が好きですよ。」
「、、、」
「ふふっw殺人鬼さんは優しいですね。僕なんかを、、、殺すのに躊躇うなんて、」
「、、、殺されて、ほしいんだよな?」
「、、、はい。」
「いいよ。殺してあげる。だけど、、、さ」
「最期くらい一緒に居てくれ。」
「、、、ふふっwはい。最期まで、いますよ。」
またきえていくおれのともだち
またふえていくおれのつみ
またなくなるおもいで
さよなら、ばいばい。もうすこしだけ。
まだまだいっしょにいるために。
そーだんしましょ。そーしましょ。