※甚だしい捏造
※非日常な日常話
※実在の人物、団体とは一切関係ありません
※頭からっぽ状態で書いてます
※以上をふまえて大丈夫な方のみおすすめください。
ゆっくりしていってね
エーミールに呼び出され家に来てみれば、そこにいたのはネクタイとベストを着用したペンギンの姿。
しかも器用にくちばしを駆使してスマホをタップするペンギンは、ゾムに対して『自分はエーミールである』とメッセージを送ってきた。
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「……どゆこと?」
呆然とするゾムに、ペンギンのエーミールは再び高速くちばしタップで、メッセージを送る。
『私の勤め先で、今流行っているんですよ。動物になっちゃう病』
「何それ。ホンマに病気なんか?」
『多分。大体7〜10日くらいで治りはするんですが』
『他の方霊長類とか哺乳類と比べ、ペンギンて色々不便で』
「……せやろな」
どこからツッコんでいいか、ゾムにはわからない。
『一応この病気、疾病休暇の申請通るんです。そのために自撮り写真送らないとなんですけど』
メッセージを読んで、ゾムは改めてエーミールの姿を見て、めちゃくちゃ腑に落ちた。
「自撮りができん、と」
『鳥なのに、ね』
「うまくねーよ。そのスベり具合、
間違いなくエミさんやん」
ドヤった顔のペンギンは、ゾムに一喝されるとすっかりしょげてしまった。
「まあええわ。ほな、エミペンギンの写真撮って、エミさんの会社に送ればええんやな?」
『はい。お願いします』
「ほな、スマホ借りるで。……で、こっち向いてもろて……、撮るでー」
パシャ。パシャ。パシャ。
「…………」
エミペンギンの写真を撮り終わり、ゾムはしばらく黙って写真と実物を見比べていたが、エミペンギンが羽をバタつかせて不満そうに鳴くと、慌ててスマホをエミペンギンに返した。
「すまんかった、エミさん。割と可愛く撮れてると思うで?」
余計なお世話。
とばかりに、エミペンギンが羽をバタつかせ、一喝する。
返されたスマホを器用にタップし、会社と連絡を取り合うエミペンギン。
ゾムはまだ目の前の光景が信じられなかったが、何となく事実を飲み込めてしまっている自分もいることに気付いた。
「エミさーん」
「くわっ!?」
「写真撮ってええ?」
エミペンギンがコクコクと頷く。
ゾムは自分のスマホで、エミペンギンの写真を何枚も何枚も撮っていた。
最初はお礼のつもりもあって、ちょっとしたあざといポーズをしていたエーミールだったが、撮影が長引いてくると、すん…と立ったままになる。
「どしたん、エミさん」
『そろそろ終わってもろていいですか? お腹空いてきた』
「お腹……。ああ、それで、生魚か」
せやな。
ゾムはそうこぼすと、鮮魚を持って台所へと向かう。
「さすがに生魚を、床に直置きするわけにいかんからな。皿か鍋に入れたるわ」
「ぐわっ(助かります)」
エミペンギンは嬉しそうによたよたとゾムの後に続き、歩き出した。
【続いてええんか、これ】
コメント
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ペンギンになったemさんきゃわいい〜(◍´꒳`◍)