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コメント失礼します!今一気見させて頂きました! giftって毒って意味があった気がするんですけど……そう言うこと何でしょうか……? 最初の部分に戻って居るんですかね?
アッ(昇天)
過去にループしてるのか…?やばい、司類が飲んだやつが気になりすぎる…!!多分、薬かな?あーもう考察が色々ありすぎて楽しすぎるわ()
From.類
薄暗い部屋、散らかった衣服、換気扇の音。この部屋には、司くんと僕だけ。
「…そろそろ、片付けないとな。」
司くんが立ち上がろうとする。
「僕も手伝うよ。」
司くんは一瞬僕の方を見て、首を振った。
「無理だ。お前、貧血が酷いだろう。」
僕は自分の腕を見る。真っ赤だった。
ドクドクと血が流れる。そう、ドクドク、毒…。
そうだ。思いついた。司くんと一緒に地獄へ行く方法。
生き辛いこんな世の中より、地獄のがずっといい。
同性愛者が認められない社会。
愛し合っているのに、どうして駄目なんだろうか。
同性が好きってだけで、みんな離れてく。
どうして?僕がおかしいの?それって、生まれてきた僕が悪いの?
けど、司くんは受け入れてくれた。僕は嬉しかった。言葉を失うくらいね。
「気持ち悪い、変、近寄らないで。」
何故、この世にこんな言葉が存在するのだろう。人の心を傷つけるだけの凶器を、何故人は軽々しく口にする?
どこでだって、いつだって僕は悪役さ。
けど、それはとてもいい事だと気付いたんだ。
だって、司くんは物語の主人公そのもの。
物語には必ず悪役が存在する。だから、彼の世界には必ず僕が存在するんだ。
自作自演や自傷行為で君を困らせた、僕は悪者。
悪は最後、正義によって裁かれる。
僕にとっての正義は司くんただ1人。だから僕は、司くんに裁かれなくちゃいけない。
僕は手に持った瓶を見つめる。
…これがあれば、司くんと一緒に眠れるね。
これが僕からの、悪から正義へのgiftだ。
僕が望む、地獄のような天国へ行こう。
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From.司
「司くん。」
珍しく類がにこにこしてた。その顔を見ると、俺も嬉しくなる。
「見ておくれよ。これ、僕からのgiftだ。」
何を言っているのか分からなかった。
そもそも、類の瞳に俺は映っているのか?
類は俺の瞳のもっと奥、全てを見透かしているような目をした。
「これを飲めば、この地獄みたいな世の中から抜け出せるよ。」
「僕達の事を認めない奴らも、馬鹿にしてきた奴らも、役に立たない警察や政府も、全部おさらばだ。」
なるほど。それはいい。
「俺も丁度、今世に飽き飽きしていたところだ。」
類は嬉しそうに瓶を開け、俺に手渡した。
「ここからのシナリオは、君が決めていいよ。実は、この先の台本は用意されていないんだ。」
台本が用意されていない物語。ここからは、俺が用意するのか。
ここまでのシナリオは、類が考えたものだ。そして、ここからのシナリオは俺が考える。
俺たちの人生は、俺と類の共作だ。
類と一緒に作った物語、なんて価値のあるものなのだろう。
俺はシナリオをもう決めた。
「類、これはいくら飲めばいい?」
類は寂しそうに、嬉しそうに言う。
「1粒だけでも充分なgiftさ。いくらでもいいよ。」
「なら、半分ずつ全て飲もう。」
もう、永遠に覚めることがないように。
次に覚めるのは、地獄のような天国だろう。
俺は類を抱き締めた。
「類、愛してる。」
類は泣きそうな顔で答える。
「僕も、愛しているよ。」
俺と類の人生の価値は、俺たちが決める。
他人にどうこう言われようと、俺は類を愛せて良かった。
類、愛してくれてありがとう。愛させてくれてありがとう。
俺たちの人生は、この世で1番価値があるものだった。
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From.司
しまった、寝過ごした!
俺は時計を見る。類との約束の時間まで、あと5分。
「遅刻だ!!!」
俺は大急ぎで家を出た。
類とはあるカフェで待ち合わせをしている。
「類ッ!!すまない、遅刻した!!」
「おやおや、珍しいねぇ。」
「それで!相談とは?!」
「ああ、そうそう。」
「ストーカー?」
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狂愛 END