テラーノベル
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廊下に、テスト順位が張り出されていた。
ざわつく人だかり。
一位は、阿部亮平。
まただ。
🩷(ほんとにすごいな……)
🩷(あんな完璧な人、クラスではどんな顔してるんだろ)
気づけば、阿部のクラスの前を通っていた。
🩷(あ、阿部くんいた——)
その瞬間。
ドンッ。
🩷「っ、いた……」
🩷「ひっ」
ぶつかった相手を見上げる。
学校の“ボス”と呼ばれる三年。
逆らえば終わる、と噂の先輩。
🩷「す、すみません!」
避けようとする。
だが。
○○「おい、待て」
低い声。
○○「俺、今イライラしてんだ」
○○「発散させろ」
腕を掴まれる。
裏庭へ。
人気のない場所。
○○「肩ぶつかったよな?」
○○「慰謝料、五十万」
🩷「ご、五十万……?」
○○「払えねぇなら、別の方法でもいいけどな」
逃げ場がない。
🩷(終わった……)
胸ぐらを掴まれる。
体が浮く。
そのとき。
💚「おーい」
間延びした声。
ぴたり、と空気が止まる。
💚「その手、離したほうがいいですよ?」
振り向くボス。
○○「……あ?」
○○「あー、阿部か」
○○「優等生がこんなとこで何してんだ?」
阿部は、笑っている。
でも目は、笑っていない。
💚「校長に話してもいいんですけど」
💚「退学、嫌ですよね?」
軽い口調。
なのに、背筋が冷える。
○○「ちっ……」
○○「調子に乗ってんじゃねえよ!!」
拳が振り上がる。
🩷(やばい——!)
目を閉じた、その瞬間。
——鈍い音。
恐る恐る目を開ける。
ボスが、地面に倒れている。
🩷(え……?)
何が起きた?
阿部は、少しだけ首を傾げた。
💚「まだ、足りないですか?」
その声は、優しい。
なのに。
ぞくり、とした。
○○「す、すみませんでした…!!!」
ボスは逃げるように去っていく。
静寂。
💚「大丈夫?」
💚「怖かったよね?」
肩に触れる手。
🩷(いや……)
🩷(怖いのは、あんただよ!!)
助けられたはずなのに。
心臓が、別の意味でうるさい。
この日から——
俺は、
優等生の“裏側”を知ることになる。
つづく。
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