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『BLACK cat school』〜スクールライフは恋と波乱!?〜
ナックの時間 無防備な貴方に
『体育祭最後の種目!借り物競走!選手の皆さんは準備をお願いします。』
そして、私の前に立つ彼。
(私…私が選ぶのは――。)
『華さん。私の話を聞いて頂けますか?』
『ナック…?』
『私は…貴方のことが好きです。』
『!』
『自分でも制御出来ないほどに貴方が好きなんです。こんな気持ち…今まで抱かなかったのに…。』
ナックは苦しそうに胸を抑える。
『貴方といる度……幸せなんです。だから私は……貴方を他の誰にも渡したくない。渡さない。』
グイッ!
ナックは少し強引に私の手を引いた。
『っ…』
『私だけを見てください。もし…嫌ならこの手を振りほどいても構いません。』
『……。』
出来るわけないよ。好きな人からそんな風に言われて。
『ナック。振りほどくなんてしない。
だって私はナックが好きだから。』
『華さん……っ。』
『一緒にゴールしよう。私と。』
『っ、はい。最後までご一緒します。』
私は華さんの手を引いてゴールまで走った。
その手を離すことなく、最後まで――。
数日後。体育祭の終わり、ナックは生徒会の会計の仕事で忙しいらしい。
『すみません華さん、すぐに終わらせますので…』
『大丈夫だよ、無理しないで。私紅茶淹れてくるから。』
『すみません、お手を煩わせて…』
私は紅茶を淹れに職員室へ向かった。
コンコンっ。ガチャ
『ナックお待たせ。紅茶を…』
『すぅ、すぅ…』
『寝てる?』
(まぁ無理もないよね…。)
私はテーブルに紅茶を置いてナックの寝顔を眺める。
『メガネしたまま寝てる…』
私はメガネを外そうとナックに触れた。
『…っ!』
『わっ!』
ドサッ!
ナックは目を覚まし私の両手を掴んでテーブルに押し付ける。
『あ…?なんだ、お前か…びっくりさせんなよ。』
(あ、やばい。寝起きナックだ。)
『ご、ごめん。紅茶を……』
『…紅茶なんかより今はあんたが欲しい。』
『え、ちょ、ナック――。』
言い終わる前に唇を塞がれる。
『ん、んぅ…っ。ナック…。』
寝起きのナックは機嫌が悪く猛獣と言われるのも納得だ。そんなキスを今彼にされている。
『ん、んぅ…ぅ。』
『……ふっ。可愛いな。ほんと。』
『っ…///』
『こういう俺も好きだろ?』
『っー!早くメガネかけて!』
私はナックにメガネをかける。
『……おや、あれ、私は…って。華さん!?す、すみません、わたし押し倒して…』
『……ナックなんてもう知らない。(˘^˘ )プイッ』
『あ、ちょ、華さん!?待ってくださいー!』
いつもの貴方もそうじゃない貴方も私は大好き。だって、あなたはあなたのままだから。
𝑯𝑨𝑷𝑷𝒀 𝑬𝑵𝑫__
コメント
2件
ほんとに寝起きナック好き これだからナックは…好きなんだよな