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『BLACK cat school』〜スクールライフは恋と波乱!?〜
ロノの時間 胃袋を掴まれた
『体育祭最後の種目!借り物競走!選手の皆さんは準備をお願いします。』
そして、私の前に立つ彼。
(私…私が選ぶのは――。)
『はぁ、はぁ……っ。』
ロノは息を切らしている。
『華、さん、俺は……。』
『うん。』
『っ、俺は…その、っ、華さんが好きなんです!!』
ドクンッ!
驚く程ストレートな告白に…ぶわっと顔が赤くなる。
『廊下ですれ違う時には必ず笑顔を向けてくれて、傍に居ると嬉しくて…でもいつの日かその笑顔を俺に…俺だけに見せて欲しいって…思ってしまったんです。』
『ロノ……。』
『俺に華さんをください。ずっと…幸せにします。』
『っ…///』
(ロノが私にそんなこと言うなんて…だめだ。胸がドキドキして苦しい。)
『私は…ロノの頑張り屋さんのところとか。
料理作ってる時の真剣な表情とかが凄く好きなんだ。もちろん…かっこいい所も全部大好きだよ。』
『華さん…。』
私はロノにニコッと微笑む。
『私の事、ずっと幸せにしてくれますか?』
『もちろんです!』
ガバッ!
ロノは私を抱っこする。
『わっ!』
『捕まっててくださいね!』
ロノは私を抱えたままゴールまで走った。
彼は私を抱えて走った。私は走ってないのに、ずっと胸はドキドキしていた――。
体育祭から数日。私は調理部の部室にいた。
『これも美味しい!』
『嬉しいです!自信作なんですよ!』
『これも食べていいの?』
『はい!いつも部活頑張ってるので
ご褒美に作ったんですよ。』
『ふふ、ありがとう。でも私もロノに何かしたいな…私はロノみたいに料理も上手くないし…。』
『…それなら俺は――。』
俺は華さんに近付いた。
『華さんからご褒美が欲しいです。』
『え…っ。』
ぷにっ。
ロノは私のほっぺに触れる。
『…っ。』
『…好きです。』
『ん……。』
ロノは私の唇に触れた。
『ん…っ。』
『っ、は……っ。』
微かな吐息を立てて唇は離れた。
『甘いです……。』
『っ、なんで、いきなり…』
『……嫌でしたか?』
『…わかってて聞いてるでしょ。』
(嫌じゃないことなんてわかって癖に。)
『ふふ、俺は華さんといれるだけで
充分です。』
『ロノ…』
『だって、これからは彼氏としてずっと一緒に居られますから。焦らなくても華さんは何処かに行ったりしませんよね?』
『どこにも行かないよ。それに…離れる気も無い。ずっと、ずっと…ロノを好きでいる。』
『華さん…はい。絶対に離しません。』
『ふふっ。』
二人で微笑み合い抱きしめ合う。
その空間はまるで、日差しが差したように暖かった。
𝑯𝑨𝑷𝑷𝒀 𝑬𝑵𝑫__
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