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半年間の婚約期間を経て、いとと貴時は婚姻を結んだ。
婚礼の儀は滞りなく進み、宴も無事終わった頃には、夜もすっかり更けていた。
入念な湯浴みを済ませたいとは、緊張しながら寝室に向かう。
今から貴時と、そういうことをするのだ。
箱の中でずっと暮らしていたいとにもちろん男性経験はなく、跡継ぎを作るということは、齢十五の娘にとっては荷が重すぎる責務なのだ。
貴時とは約半年ぶりの会話をしなくてはならないので、それも相まってかなり緊張していた。
いよいよ寝室の前に着き、いとは襖の前で正座した。
「旦那様。いとでございます」
「入れ」
許可の声を確認し、いとは襖を開ける。
部屋にはひとつの広い布団があり、その上に貴時が胡座をかいていた。
「失礼します」
いとは貴時に一礼する。
「来い」
貴時の声にいとは顔を上げた。
「はい」
立ち上がり、貴時の前まで来ると、その場で正座をする。
すると、貴時が怪訝そうな顔をした。
「違う、こっちだ」
「え?……ひゃっ」
貴時はいとの手首を掴み、いとを自分の胡座の上に横に座らせた。
いとはわけがわからず目を白黒させる。
貴時はいとの華奢な肩と腰に手を添え、彼女を抱きしめた。
「え?……え?」
いとは思わず素っ頓狂な声を発する。
「まずは互いの温もりに慣れるべきだろう」
貴時にそう言われ、いとは遅れて理解する。
な、なるほど……?そうなのか……?
いとはそう思ったが、そういうものなのだろうと思うことにし、貴時に身を預けた。
……温かい。 人の体温を感じたのは何年ぶりだろうか。
……そうだ、最後に抱きしめてくれたのはお母様だった。もう十年近く前のことか。
そこまで思い出したところで、貴時が口を開く。
「いと」
貴時に初めて名を呼ばれた。
誰かに名を呼ばれるのも久しかった。
いとは目を見張るが、すぐに笑みを作り、顔を上げる。
あの美しい顔がいとのすぐそばにあった。
「はい、旦那様」
「俺のことは名前で呼ぶように」
いとは驚いた。
「では、貴時様?」
いとが恐る恐る言うと、貴時は頷いた。
と、ふと貴時の顔が近づいてきた。
突然のことでいとはどうすることもできずそれを受け入れる。
「んっ……」
唇同士が触れるだけの優しい口づけだ。
いとは口の中で甘みが広がっていくのを感じた。
「んっ、……ん……、んぅ……」
かと思うと、貴時の舌がいとの口の中にぬるりと入ってきた。
「……っ?!んんっ……、ふ……」
いとは驚いて貴時の胸を押しのけようとするが、貴時に後頭部と背中を押さえられどうにもならない。
「んん……、……は……、んっ」
舌をぬるぬると絡められ、歯をなぞられ、口内の隅々まで舐られ、いとは恥ずかしくてどうにかなりそうだった。
しばらく互いの唾液を共有し合い、貴時は口づけを解いた。
銀色の糸がふたりの間を繋ぎ、ぷつりと切れる。
いとの顔はもう既にとろんととろけていた。
貴時はいとの身体を布団に横たわらせた。
いとの上に覆い被さり、襦袢の上からいとの胸を揉みしだく。
「あっ……、あっ……?……や……」
貴時はいとの襦袢の襟に手を入れ、胸元をはだけさせた。
いとの白い乳房が露わになる。
貴時は片方の頂きを舐り、もう片方を指で弄った。
「あっ、……あんっ、あっ、やっ…… 」
いとの中で快楽が生まれてくる。
彼女は局部が疼くのを感じた。
いとは何がなんだかわからず、ただ喘ぐ。
少しして貴時は胸から離れた。
いとの頂きはどちらも赤く充血していた。
いとが浅い息をしていると、貴時は上半身を起こし、いとから襦袢を剥いだ。
そしていとの脚を曲げ、開かせると、いとの恥部に唇を寄せた。
そのままいとの陰部に口づける。
「ひゃっ」
ぼんやりしていたいとは目を見開き、自分の局部を見やった。
「やっ、やだ……、そんなところ汚……、……んあっ、あぅっ……」
貴時はいとのそこを舐り始めた。
襞全体をねっとりと舐り、芽を軽く噛む。
「ああっ、だめ……、あっ……、あんっ……」
膣の中にも舌を滑り込ませ、舌が届く限り壁を隅々まで舐る。
「ひぅっ……、あっ、あっ、やだっ……何か……あっ、来ちゃう……」
貴時の舌はいとの感じやすいところを見つけ、そこを執拗に舐った。
くちゅくちゅといういやらしい音がいとの恥じらいをさらに増させた。
「あっ……、……いやっ、あんっ……、あっ、あっ、あああんっーーーーーーーーーー」
その瞬間、いとは初めて絶頂に追いやられた。
背をのけ反らせ、全身を痙攣させ、縋るように布団を掴む。
何が起こったのかも理解できず、いとははくはくと浅い息を繰り返した。
そんないとに貴時は喉の奥で小さく笑い、いとの顔に口づけの雨を降らせる。
額、こめかみ、瞼、頬、鼻、顎、唇。
貴時は上半身を起こすと、自分も襦袢を脱ぎ、生まれたままの姿になった。
余韻に浸っていたいとは局部に何か硬いものがあてがわれたのを感じ、そこを見やる。
男のそれを目の当たりにし、いとは青ざめた。
「や……、怖い……」
貴時の肉棒は太く長く、赤黒い。
あれを自分の中に入れるなど、いとは信じられなかった。