テラーノベル
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深夜2時すぎ。都内某所の高層マンション――そこに、ひとりのΩが息を潜めていた。
こさめは、なつに守られるように与えられた“専用ルーム”で、眠れない夜を過ごしていた。
🎼☔️(なつくん、LANくんに写真のこと任せるって言ってたけど……
ほんとうに、ぜんぶ大丈夫……なのかな……)
ベッドのなか、こさめの胸の奥に残っているのは、
「フェロモンを見られた」という恐怖と、「ばれたら終わる」という焦燥だった。
🎼☔️(でも……なつくんは、だいじょうぶって……言ってた……)
少しずつまぶたが重くなってきた頃――
「……こさめ?」
不意に、玄関のドアが静かにノックされた。
🎼☔️「……え?」
こんな時間に来るのは、なつだけ。
だが、この足音は――違った。
「こさめ、いる? ……俺だよ、響」
扉の向こうで名乗ったその声は、
同じ事務所のα俳優で、最近バラエティでも人気急上昇中の男・**響(ひびき)**だった。
🎼☔️(なんで……なんで響くんが、こさめの部屋に……?)
「……今日は、ちょっとだけ……君のにおいが、強い気がしてさ」
🎼☔️「……っ」
響の声が、すこしだけ甘く、低く、そして――飢えていた。
🎼☔️(……まさか)
こさめは、自分の首筋に手を当てる。
数日前、ヒート直前のフェロモンが“誰か”に察知された可能性――
まさか、こんなふうに繋がるなんて思ってもいなかった。
🎼☔️(やばい……このまま、入ってこられたら……)
バタン、と音がしたのは次の瞬間だった。
響がドアノブに手をかけ、ロックの確認を始めていた。
「鍵……閉まってるよね……? ねぇ、こさめ」
🎼☔️(やだ、やだ……なつくん……)
震える手でスマホを掴もうとしたそのとき――
🎼🍍「――そこまでだ」
低く冷たい声が、廊下の先から響いた。
🎼☔️「……なつ、くん……!」
黒いジャケットを翻して現れたのは、なつだった。
その目には一切の感情がない。
🎼🍍「芸能人としての“顔”を忘れたなら、今すぐその肩書きも捨ててもらおうか」
「……別に、手ぇ出してねぇよ。
ただ“におい”に反応しただけだ。Ωに対して本能で近づくのは、αとして当然だろ?」
🎼🍍「――こいつは、“俺の番”だ」
一瞬にして、空気が張りつめる。
「……マジで?」
響の表情がこわばる。
🎼🍍「番持ちのΩに手を出すってことが、どういう意味かわからないなら、
お前のそのαとしての“顔”も、芸能界ごと潰す」
その瞬間、階段の影からLANといるまが現れる。
🎼🌸「やっぱり尾行、正解だったねぇ。なつさん、こいつ処理しちゃう?」
🎼🍍「……いや。表に出たら厄介だ。
いるま、こいつのマネジメント側に圧かけとけ。番関係の証拠が出回らないよう、全部潰す」
🎼📢「了解」
いるまが頷くと、LANは響の背中を軽く叩いた。
🎼🌸「じゃ、帰ろっか〜? これ以上いたら、ほんとに“噛まれる”よ」
響が引き下がると、なつは静かにこさめの部屋に入った。
🎼🍍「……ごめん、こさめ。俺の油断だった」
🎼☔️「……こさめ、ひとりじゃ、なにもできない……
また、においで……バレて、誰かが来るの……?」
なつはこさめを抱きしめた。
🎼🍍「もう誰も近づけない。
……必要なら、この部屋ごと変える」
🎼☔️「……でも、そんなの、普通じゃない」
🎼🍍「普通じゃなくていい。
お前を守れるなら、こさめを“檻”に閉じ込めることだって、俺はためらわない」
🎼☔️(――でも、それって、ほんとうに“守る”ってこと……?)
こさめはなつの胸のなかで、少しずつ目を閉じた。
守られている安心と、自由を奪われる怖さ――
その境目で揺れるまま。
コメント
3件
遅れてごめんね💦テスト期間だから投稿できないかも😭