「最低だね」
紗良はそう言って彼と付き合いました。
私を守る為に。
紗良は教えてくれませんでしたが噂なんて耳に入って来ます。
彼は紗良と何度も体を重ねたのです。
紗良は日に日に元気が無くなっていきました。
それを3年間耐えたのです。
皆さんには分かりますか。
好きでもない男に抱かれる苦痛を。
紗良は嫌気がさしました。
同じ高校、同じクラス、またそれに耐えなければならない。
入学式の日紗良は彼を海へ呼び出しました。
そして彼の頭を押さえつけ窒息死させました。
その死体は少し深いところまで引っ張り溺死に見せかけるようにしました。
次の日に彼が行方不明だと説明されたのを覚えていますか?
そして2日後彼は海の中で発見されました。
もちろん溺死とみなされました。
ひとりで遊んで溺れたと。
けれど彼は紗良に殺されたのです。
その日私は紗良に打ち明けられました。
私の部屋に遊びに来ていました。
紗良は静かに俯いた私に優しいキスをしました。
「あんまり隙、見せない方がいいよ。」
「次は舌入れるよ、?」
とだけ言い帰って行きました。
彼が死んだことよりも紗良にキスされたことの方が驚いてその日はよく眠れませんでした。
紗良は彼が死んだ事を昨日までずっと引きずっていました。
精神的におかしくなっていく紗良を見ていることが出来なくなっていました。
だから私は紗良に言いました。
「一緒に死のう」って。
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