紗良は、その日から徐々に元気になって行きました。
そんな紗良が他の子といるのは嫌でずっと縛って来ました。
それが紗良の負担だと思ったことは一度もありません。
ー私は紗良の事を愛しているから。
紗良は日に日にこのクラスに馴染んで行きました。
沢山の人が紗良と仲良くなろうとしてくれた。
それを阻止していたのは私、だなんて事とっくの昔に気付いています。
けれど紗良には私が必要で、私には紗良が必要なのです。
時折、紗良は私にキスをします。
どんな意味が込められているのか、私には分かりません。
それを否定せずに受け止めているのは私だから紗良の全てになりたいと思いました。
私にとって紗良はどういう存在なのでしょう。
愛してるが恋愛感情なのか友情なのか分かりません。
けれど明確なのは私は中井 紗良という人間を愛しているです。
紗良は淡々と昨日まで生きていました。
何も辛さを感じさせることも無くいつも明るい紗良は内に非を抱えているのです。
ずっと計画していました。
どうやって死のうか。
彼の事をクラスの人に知らせようか。
紗良が何を考えて黒板にこれを書いて欲しいと言ったのかは知りません。
昨日、私は紗良が死ぬのを目の当たりにしていました。
なのに助けようとしなかった。
それを紗良が願っていなかったから。
それでも助けるのが親友の役目と言うのでしょう。
いいえ。紗良の最後の願いを叶えられず何が親友なのですか。
私は紗良に「一緒に死のう、」と言いました。
けれど私は紗良が、黒板に書いて欲しいと言った事を不思議に思うのです。
こんなの、紗良だけが悪者みたいに見えるでしょう。
最後まで説明しないのが紗良らしいけれど、それでは報われないのではと思うのです。
だから私は貴方達に説明したら紗良のいる場所へ行くつもりです。
紗良を、ひとりにするなどできるはずありません。
紗良と私は永遠に一緒なんです。
紗良は最後に私に言いました。
ー愛してる
それだけ、私の目を見て。
紗良が死んだ。
その現実を私はまだ信じる事ができていません。
なので私は昨夜このクラスのサイトに匿名で書き込みをしました。
全員が来てくれると思っていませんでした。
貴方達は余程人間の不幸が好きなのですね。
気になるからという理由だけで来るには余りにも残酷な内容だと思うのですが。
そう思うのは私だけみたい。
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