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私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。

新入生は勿論、教師陣も空いた口が塞がらないみたいだ。かくゆう私も一緒の表情だろう。

「な、何コレ…」

「よろしい。海だ」

皆が押し黙った状況の中眼鏡の男だけは平常運転で組み分けをした。

何はともかく組み分けが終わった。私はいそいそと講堂から逃げようとするも襟首を捕まれ動けなくなった。

眼鏡の男が襟首を掴みながら言う。

「君はここで見学だ。それと後で職員室へ来なさい」

「え、退学?」

「何を言ってるんだ?特別指定生徒に推薦してやるから私の弟子となりなさいと言ったのだ」

聞いてないです。なにそれ。ていうか周りの視線が痛い。恨めしそうな目。羨望。嫉妬。

嘘、私これからあの目に晒されて暮らすの?

「次、そこのお前」

眼鏡の男は私の事なんてお構い無しに組み分けを続ける。

仕方ないので言われた通り見学をしているとだんだんと違和感が産まれてくる。

どの生徒も水晶は精々少し光るくらいだ。中には水晶の中に火を出したり水を出す生徒もいたけれど、どれもどうも違和感が拭えない。

「お前、名前は?」

そんな事をウンウンと唸りながら見ていると急に眼鏡の男が話しかけてくる。

試験中の生徒が可哀想だから私に構わないで欲しいんだけど。

「海」

「フッ、素晴らしい。では海、問題だ。君も薄々気づいているかもしれないがこの水晶の役割はなんだと思う?」

「役割り、ですか」

あれからもアイスゴーレムに打ち出す試験は続いている。もっとも影響を与えられた生徒は少ないし、出来たとしてもアイスゴーレムを欠けさせる程度だった。

それよりも水晶ね。

触れた時は何も無い。次の工程は魔力を流すこと。この段階でも変化はなかった。それでも一人一人に違う変化が起きている。

私の場合はどうだったか。トリガーを外した時にしか反応は無かった。表の魔力は偽造の為…。

「あっ、その人の魔力をみるんだ。魔力量と同時に最も得意とする属性をみていた?」

「中々出来るじゃないか、素晴らしい。そうだ。それと起源の魔法も測れることが分かった」

眼鏡の男は満足気に頷くとどこか冷めた目で新入生を見始めた。

「君が素晴らし過ぎた」 

「へっ?」

「海遼は君だけだな。1年では学園創立以来2人目だ。おめでとう」

そう。新入生で初日に特別扱いを受けた私はほぼ全ての新入生を敵に回したのだった。

闇の女王と聖なる下僕

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