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こーじは何も悪いことしてないよ!!
凍りついた楽屋の空気を破ったのは、ラウールの嗚咽交じりの声だった。
🤍…ねぇ、康二くん…
彼は涙でぐしゃぐしゃの顔を上げて、必死に康二に問いかける。
🤍誰に、やられたの…?
誰が康二くんをこんなふうに傷つけたの…?
それは、その場にいる全員が聞きたいことだった。犯人の名前。
この地獄を作り出した張本人の正体。しかし、康二は弱々しく首を横に振った。
🧡いやや…いいたくない…
その答えに、渡辺が声を荒らげた。
💙はぁ!?なんでだよ!ここまでされて、まだそいつのこと庇うのかよ!
🧡違う…!
康二は、その言葉を必死に否定する。
🧡庇ってるんやない…
そして、絞り出すように、信じられない言葉を続けた。
🧡仮に…その人が、俺のことを嫌いやとしても…。嫌いにさせたんは、全部俺やから…
うるさくて、空気が読めなくて、仕事ができなくて、迷惑ばっかりかけて。
だから、嫌われても仕方ない。
殴られても、蹴られても。
それは全部、自分が悪いから。
そのあまりにも歪んだ自己肯定感。
どこまでも自分を責め続ける悲しい優しさに、メンバーは言葉を失った。
違う。お前は何も悪くない。
お前を嫌うやつがいたとしても、お前が嫌われる原因を作ったんじゃない。
そう叫びたいのに、喉が張り付いたように声が出ない。
康二のその一言は、どんな罵詈雑言よりも、彼らの胸を鋭く抉った。
そして同時に、まだ名前も知らない犯人に対する怒りを、憎悪を、殺意を、燃え上がらせるには十分すぎるほどの燃料となった。