康二は、メンバーたちの顔に浮かぶ険しい表情を見て、怯えたように続けた。
彼らが自分ではなく、まだ見ぬ犯人に対して怒っていることなど、今の康二に分かるはずもなかった。
🧡俺が、全部悪いねん…
そう言って、彼は無理やり笑顔を作ろうとする。しかし、その笑顔は痛々しく歪んでいるだけだった。
🧡全部俺のせいや。 だからその…ほんま、迷惑かけてごめんなさい…
そして震える手で、近くにいた目黒の服の裾を弱々しく掴んだ。
🧡みんな…お願いやから、そんなに怒らんで…?
その瞳は、必死に何かを訴えかけている。
🧡みんなのきれいな顔…
俺のせいで、傷つけたくないんや…
俺なんかのために、誰かと争ったりしないで。問題を起こしたりしないで。
いつもみたいに、キラキラした顔で、笑っていてほしい。
その言葉は、康二なりの最大限の愛情であり、自己犠牲だった。
しかし、その健気すぎる願いは、最後の引き金となった。
プツン。
メンバーの中で、理性の糸が切れる音がした。
きれいな顔?傷つけたくない?ふざけるな。お前が、お前自身が、一番傷だらけじゃないか。お前のその心も体も、俺たちにとっては宝物なんだ。
それをズタズタにしたやつを、どうして許せる?
お前のせいで怒ってるんじゃない。
お前を傷つけた、どこの誰とも知らないクソ野郎に、腹わたが煮えくり返ってるんだ。
目黒は、自分の服を掴む康二の冷たい手を、そっと、しかし力強く握り返した 。
その瞳の奥では、もう決して消すことのできない、静かで、底なしの怒りの炎が燃え盛っていた。
もう、誰も康二を止めなかった。
いや、止める気もなかった。
犯人を探し出す。
そして絶対に、許さない。
その場にいた8人の心は、完全に一つになっていた。
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そーだ!見つけ出してボコボコにするんだ!うちも参戦したい!続き楽しみにしてます!!
