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前回ゼレナ先生が黒板に貼っていた紙を見て座った。書き込まれていたグループには私以外に五人いたがルザネもジュプエもいなかった。

バッグには暇つぶし用の本や裏紙を持ってきていないので寝るしかない。

ただ、ルジナ先生のことが気掛かりで寝付くことが出来ない。

…仕方がないので色々考えたけれど何も思い浮かばなかった。

ルジーク=ナル=ディラ。ルジナ先生。

今の私には何も分からないのが現状だ。というか、母の記憶すらほぼ皆無と言ってもいい。

(というかあの人、一番最初にネアって名乗ってなかったっけ。ネアは私の母さんの名前だし……どういう意図なんだろう)

次々に湧き出てくる疑問を横に、描き途中のスケッチを眺めていた。

(学生生活、自分の好きなことやって、勉強して、資格を取って、大人になるもんだと思ってた。唐突になんでこんなことが起こるの? それとも、他の人もこうなのかな……)

机に突っ伏し、一人暗い海に沈んでいた。

いつもより眠くもあり、段々と瞼が落ちてくる。

(寝ちゃいそう……)

「エリア大丈夫?」

不意に眉を八の字にしたルザネが私の肩を叩いた。

その後ろには遠い目をしたジュプエもいた。

「あ、ごめんごめん。寝るところだった」

「初めての授業だもんねー、次のコマが最後だから頑張ろう!」

「うん!」

私は石像のように重い頭をしっかりと安定させつつ、カバンから総合のプリントを取り出す。

薬品研究部は薬などの開発を主にしているがその他生物の研究もしているため決まっている業務内容などはない。

…ルジナ先生に今度研究内容を聞いたり伝手で母に会ったりとやれることはあるだろう。

前方の扉が開き、ゼレナ先生が入って来る。

「それでは四限目を始めます」

比較的黒板に近い席なので、よくゼレナ先生の顔が見えた。元々顔立ちが良いからなのかそこまで化粧は濃くなく、でもうっすらと目元のクマが見えた。

化粧で薄めている感じはあるのですっぴんになったらはっきりと見えるのだろう。

「前回言った通り、今回は中央役員会についてやっていきます。常識となっていることもあるのでよく聞くように」

ふと、右隣に座っているバゼィという人物が気になったので横目で流し見た。

一目見た感じ、運動系みたいな感じだった。ルザネも運動系の分類なのだろうが、バゼィという者はそれとはまた一味違う感じだった。

私に気が付いたのか、こちらを見て微笑んだ。

相手が気付くほどジロジロ見ていたのかと反省しつつ、笑い返した。しっかり集中しなきゃと自分に言い聞かせてゼレナ先生に視線を戻した。

「中央役員会とは、皆さんが知っている範囲で言うと戸籍、土地管理、警備役員会と手を組んで各州の警備体制組み立てや人の出入りを管理する役員会でしょう。けれど、実際はそれだけではないのです」

机の横に置いてあった小さいプラスチック製の箱からチョークを取り出し、黒板に大きく『中央役員会』と書き、その下に箇条書きで『・戸籍管理、土地管理』『・(警備役員会と手を組んで)各州の組み立て』『・〃人の出入り管理』と記していった。

「そしてこれに加え、各役員会の管理、納税管理会や外交管理会、情報管理役員会の管轄、その他の支部の監視を行っています」

納税管理会などが中央役員会の管轄は聞いたことがなかったので正直驚いた。

(まぁ確かに税は大事な収入だし、外交はその他の国の関係が大事になってくるし。管轄に入っててもおかしくはないか……)

「そして今現在、遠方調査団や研究団と手を組んで南の未開拓地を調査しています。一時期ニュースにもなっていたので知っている人もちらほらいるでしょう」

あぁ、調査はもう行われているのか。

それから進展を告げるものはなかったので遠方調査団か研究団が拒んでいるものだと思っていた。

(案外と、報道部でも手が届かないところもあるもんだなぁ……)

しかし、私がそう思っていただけで、あとでジュプエ達に聞くと調査開始はニュースにはなっていたがそこまで関心を引くものではなかったらしく、すぐに流れなくなっただけらしい。

「南の未開拓地は昔に蔓延し、今だに治療法が発見されていないディストリー病の解析の手がかりとなるものがあるとされています。そのため、今現在この活動に一番力を注いでいます」

ここまでは大体知っている内容であった。

「そして、新たな生物を発見し、研究団に引き渡して調査中です。…あ、これはまだ発表はされていないません。多分近々されるでしょうがその間まで秘密でお願いします」

ゼレナ先生は焦ったような、申し訳なさそうな表情をしつつ顔の前で手を合わせ、小さく会釈した。


…早く終わって家に帰りたいなどと考えている内にまたしも寝ていたようだ。

誰かに肩を揺らされて夢から落ちてきた。

「ん……」

「エリア、さん? 大丈夫? 爆睡してたけど」

頭を上げれば、目の前に知らない人の顔があり、仰天した。

「フフッ……そんなに驚かなくていいのに。授業の四分の三くらい寝てたよね」

「えっ……あっと、ありがとう。…名前は? 私、エリア=ユテール」

「あっ良かったぁ、合ってた! ウチはね、ナティ=バゼィ」

少し日焼けをしており、高めの場所に結んだポニーテールは肩に付かないくらいの高さだった。

「よろしくね」

口角を限度まで上げて笑うナティは、私には少々眩しかった。

「ね、エリアちゃん。今日一緒に帰らない?」

私はいつもの面子を思い浮かべたが特に予定はないはず、多分。

「いいよ。バス乗って帰るの?」

「うん! バラジナ公園入口で降りるんだけどエリアちゃんは?」

「私も。奇遇だね」

バス停留所の目の前にある家が私の家だ。だからもしかしたら会ったことがあるのかもしれないのだがどうだろう。

「…バス乗ってる時にエリアちゃんの顔を見た覚えが無いんだけどもしかして乗る時間とか違うのかなぁ」

カバンに荷物を積め、背負う。

「分からない。私はいつも6時くらいに家出てるから……」

今日は少し遅めに家を出てしまったが多分そのくらい。

「え! とても早起きなんだね!? エリアちゃんの髪って寝癖が付いてるからいつも遅刻ギリギリなんだと思った」

「というか最近引っ越してきたから……生活リズムが掴めてないんだよね。そのうち髪も整えてくるよ」

「そっかぁー。楽しみだね!」

ナティは嬉しそうに白い歯を見せた。

…どうやらこの子とも仲良くなれそうだ。

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