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※関西弁…のつもりで書いてますが、言い回し的に別の方言が入ってるかもしれません…が、その点についてはあまり触れないでください。
【💛side】
『【ご報告】山中柔太朗に関する大切なお知らせ』
公式SNSなどを通じて出された発表内容は、柔太朗が暫く芸能活動を休止し、既に撮影、収録を終えているものに関してはそのまま使用する…という内容の文章と本人からのコメントが掲載されていた…勿論、本当の理由は伏せて。
「…なあ、仁ちゃん」
ここはクイズ番組の収録を控えた静かな楽屋、自分のスマホに視線を落としていると、斜め向かいの席に座っていた舜太が、どこか歯切れの悪い調子で声をかけた。
「…なんだよ、舜太」
顔を上げないまま返した声は、努めていつもの冷静さを保っていた。だが、頭の中では先ほど公式から出されたばかりの『【ご報告】山中柔太朗に関する大切なお知らせ』の文字がよぎる。
(…今頃、世間もファンも、突然の発表でざわついている頃だな)
本当の理由は隠したまま、喉の不調とそれに伴う一時的な休養という名目で出した発表、メンバーである太智と舜太には、休止すること自体は事前に伝えてあったものの、その「本当の理由」までは知らされていない。知っているのは、当事者二人と俺、そしてごく一部のスタッフだけだ。
だからこそ、舜太のその探るような口ぶりに、わずかに身構えた。
「…今日のレコーディングの時さ、じゅうが別室におったやろ?」
「…ああ、そうだな。喉を痛めて声が出せないから、別室でモニタリングさせてた。」
「…そう、やよね…」
その姿はまるで、何かを確認するかのように、何となく聞いてもいいか伺ってるように見える。
「…舜太」
「…なあ、今から言うこと聞いてくれへん?」
「…聞くだけ…ならな?」
その言葉を聞いて、決心したかのように深呼吸をして、こちらに問いかけてくる。
「…俺、レコーディング終わった後に…その…見てしまったんよ…」
「見たって…何を?」
わずかに眉をひそめると、舜太は気まずそうに自分の前髪をくしゃっと掻き混ぜた。
「…別室から出てくるはやちゃんと仁ちゃんが、じゅうに似た…すごく綺麗な人と、話しとるとこ…」
「…見間違いじゃねぇのか?」
「…俺も最初そう思てたんよ、新しく入ってきたスタッフさんかなーって…けど、3人の雰囲気がさ、メンバーとスタッフの会話って感じやなくて…まるでメンバー同士の会話って感じで…でも、なんだかじゅうの様子がいつもと何かおかしくて…」
「…何が言いたいんだ」
ペンを置き、真っ直ぐに舜太を見据える。
その瞳の奥にある真剣な色を察してか、舜太は気まずそうにしながらも、しかし自分の胸の内を吐き出すように言葉を続けた。
「…別に責めたい訳やないんよ。ただ…なんか、隠されてるみたいで…そりゃあ、ファンの子達や世間には言えん事情があるのは分かっとるけどさ…同じグループのメンバーが、本当の事情を知らんままなんが、すごく…嫌なんよ」
太智は今、別のバラエティー番組の仕事でこの場にはいないし、勇斗と柔太朗は既に家に帰っている。だからこそ、舜太の抱えているモヤモヤは、いま二人きりのこの空間で逃げ場を失っていた。
楽屋の壁に掛けられた時計の秒針の音だけが、やけに大きく響く。
隠し通したいマネジメント側の意向と、仲間として一緒に立ち向かいたいという舜太の純粋な不信感の狭間で、息を呑み、わずかに唇を引き締めた。
「…なあ、教えてくれへん? 仁ちゃん…じゅうは、大丈夫なんよな?」
舜太のまっすぐな瞳には、疑いや詮索ではなく、仲間を心から案じる純粋な心配の色だけが宿っていた。その真っ直ぐさに、喉まで出かかった言葉を飲み込む。
(「大丈夫だ」なんて…簡単に言えるわけがないんだよな…)
事務所サイドからは、『理由については当面伏せる、他メンバーにも口外無用』と厳命されていた。けれど、さっきの舜太の観察眼と勘の良さを思えば、これ以上嘘やごまかしで押し通すのは限界なのも明白だった。状況的に、隠し通せるのは時間の問題だ。
重い溜息を一つ吐くと、持っていたペンをデスクに置き、静かに舜太を見据えた。
「…お前、勘が良すぎるのも考えものだぞ。」
「…ってことは…」
「言っとくけど…命に関わるような病気とか、そういうのじゃない…ただ、想像を絶するような『特殊なトラブル』に巻き込まれてる。それだけは確かだ」
「特殊なトラブル…?」
言葉を濁すその態度に、舜太はますます眉をひそめる。これ以上詳細を言うべきか、それとも…楽屋の空気が一段と張り詰める中、頭の中で急速に判断を迫られていた。
「…お前の気持ちも分かる。隠してる俺だって、正直気分のいいもんじゃない。けどな、事務所の人から『まだ誰にも言うな』って厳しく止められてんだ。まあ…舜太がそこまで勘づいてるなら…多分、太智が気づくのも時間の問題だろうな」
自信の苦渋に満ちた表情と、どこか諦めを含んだ声…それを聞いた舜太は、それ以上言葉を続けることができず、 悔しそうに拳を軽く握りしめたが、やがてふっと力を抜き、小さく息をついた。
「…分かった。これ以上無理に聞き出したりはせんから」
「…ごめんな、舜太」
「謝らんといて、仁ちゃん…ただ…一つだけ、約束してほしいんよ… じゅうが…いつか戻ってくるまで、俺とだいちゃんにちゃんと話せる日が来るまで…じゅうの場所は…絶対に守るから。だから…一人で抱え込ませんといてな」
その言葉に、ハッとしたように目を見張り、それからわずかに表情を和らげて深く頷いた。
「…ああ、約束する…ありがとうな、舜太」
恐らく舜太は納得はしてないだろうし、俺自身も納得はしていない。けれど、これ以上の事は今は…そんな空気が楽屋中に流れるのだった。
【……To be continued】
初めての🩷🤍以外の視点でのお話(と言っても視点があの2人以外に変わっただけの本編)いかがでしたか?今回だけ🩷🤍の2人のセリフがありませんが…今後の展開の都合上、どうしても書かざるをえない為、番外編的な扱いにするか本編的な扱いにするか迷った結果…このような形を取ることにいたしました。今後❤️や💙視点の話が出ることがあれば、このような形で出すと思います(🩷か🤍の視点は本編扱いとします)。
話は変わりますが、今後の作品の更新頻度については…既に書き上がってる部分は多いのですが、再編集という手を加えている都合上、頑張って2日に1回、かかる時はそれ以上…という風に見ていただけたらと思います(連載もの限定)。
というか、、、、、昨日のさんぱち〜🩷🤍(情緒どないしたん)
あんり
411
情も義もあるキノコン
1,988
コメント
2件
更新、ありがとうございます!楽しみにしておりました。 主の人物以外にも、思うことがあることが伝わってきて、さらに作品が好きになりました! この物語が、さらに深くなるエピソードだと思いますし、何より、作者様のM!LK愛が感じられました。感情と行動への繋ぎが本当にお上手で、尊敬いたします! 私生活も大切にしつつ、更新していただきたく思います!
ふう…読了したよ。今回の第八話、仁と舜太の楽屋でのやり取り、すごく良かった。仁がマネジメント側の意向とメンバーとしての想いの間で揺れる苦しさが、ペンを置く細かい動作や息遣いでひしひしと伝わってきた。舜太の「守るから」って台詞にはグッときたよ。🩷🤍が不在の視点、新鮮だったし、この作品の世界観が確かに広がってる感じがした。本編の厚みが増す大事なエピソードだと思う。