テラーノベル
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スタートーー!
夕暮れの河川敷。
オレンジ色に染まる空の下、子どもたちが笑いながら走り回っていた。
その光景を、白石美月はカメラ越しに見つめる。
「……きれい。」
シャッターを切る。
カシャッ。
写真には、夕日に照らされた子どもたちの笑顔が映っていた。
「今日一番の写真かも。」
美月は微笑む。
その時だった。
背後で車のドアが閉まる音がした。
振り返ると、黒いスーツ姿の男が二人立っている。
「白石美月さんですね。」
「……はい?」
男たちは穏やかな口調で近づく。
「あなたにお願いしたいことがあります。」
美月は少し警戒しながらも、笑顔を保つ。
「取材ですか?」
しかし、男たちの表情は変わらない。
「違います。」
「あなたの持っている写真を返していただきたい。」
「写真?」
心当たりがない。
その瞬間。
遠くでタイヤがきしむ音が響く。
一台の黒いワゴン車が静かに止まった。
美月は一歩後ずさる。
「……何なんですか?」
男は静かに言った。
「騒がないでください。」
「あなたを傷つけるつもりはありません。」
その言葉と同時に、美月のカメラバッグが地面に落ちる。
ストラップが外れ、カメラが草の上に転がった。
「私のカメラ!」
美月が手を伸ばそうとした、その一瞬。
男たちは彼女を車へ連れて行き、ドアが閉まる。
黒いワゴン車は、夕焼けの中へ走り去っていった。
河川敷には、誰もいなくなる。
残されたのは、一台のカメラだけ。
数分後。
ジョギングをしていた男性がそれを見つける。
「……落とし物?」
カメラの液晶には、最後に撮影された一枚が映っていた。
夕焼けの空。
遊ぶ子どもたち。
そして画面の端には――
黒いワゴン車の一部と、男の腕時計がわずかに写り込んでいた。
翌朝。
ニュースでは「高校生写真家・白石美月さんが行方不明」と報じられる。
そのニュースを見たコナンは、表情を引き締める。
「美月さんが……誘拐?」
阿笠博士の家を飛び出し、毛利探偵事務所へ向かうコナン。
蘭や小五郎も、すぐに捜索へ動き始める。
しかし、コナンは美月のカメラに残された最後の写真を見て、小さくつぶやいた。
「これは……ただの誘拐じゃない。」
「犯人は、何かを探している。」
そして同じ頃、薄暗い倉庫で目を覚ました美月は、近くに置かれた自分のカメラケースが開かれていることに気づく。
「写真が……狙いだったの?」
男たちは静かに告げる。
「君には、ある写真を思い出してもらう。」
「それだけだ。」
美月は恐怖を押し隠しながらも、静かに息を整える。
(コナン君……きっと来てくれる。)
その頃、コナンは最後の写真に映った小さな手がかりを見つめていた。
「必ず助け出す。」
「待ってて、美月さん。」
こうして、一枚の写真をめぐる新たな事件が幕を開ける――。
次回
第一章「残された一枚の写真」
コメント
3件
読み終えたわ! 夕暮れの河川敷の風景描写がすごく綺麗で、そこから急に不穏な空気に切り替わる展開、一気に引き込まれた。美月がカメラを落とす瞬間、すごく胸が痛んだ。コナンが登場して「ただの誘拐じゃない」って言うところで、物語のスケールが一気に広がった気がする。最後の写真に犯人たちの手がかりが写ってるのも熱い伏線だわ。次回が楽しみすぎる🔥