今日はものすごく天気がいい。むしろ、少し暑いくらい。準備体操を終え、どんどん試合をしていく。スポーツが好きでは無いので気がのらない。
「神代く〜ん!、同じチームだね!!」
🎈「よかった、一緒で、」
「俺も一緒だぞ、転校生。」
🎈「転校生…って僕は神代です、!」
「はいはい、」
憂鬱だな。いっその事休んだ方がマシじゃ。
「おい、神代。チーム中入ってくんね???丁度人数足りなくってさ」
🎈「え!?僕が!?」
な、なんで僕が!!!流石にサッカーは…。仕方なく歩き出し、チームの輪の中に入っていく。正直言うと、やりたくない。
「神代くん!頑張って〜!」
🎈「あ、あぁ…」
そもそもサッカーのルールしらないし。
ピーッと音が鳴って開始する。ボールは初めこちらのチームからだ。適当に走ってボールがこっちに渡らないようにすれば…。みんなが一斉に走り出す。よし、離れよ。
「こっち、パス! 」
「前方注意!!」
大きな学校ってのもあってサッカー部もいる。その子たちがメインで動き出す。走っては止まっての繰り返し。意外と味方にはバレてなさそ…
「神代!、パス」
🎈「えぇ!?」
ゴールまでの距離は結構ある。てか、これ僕にパス出す理由なくない!?、むしろ僕より他の子の方が良いでしょ!?
パスは綺麗な弧を描き、丁度目の前でころがる。いやいや!?どうしろと!?。誰かに渡すか?、でも周りはみんな程遠い。なら、このまま。
🎈「あぁ、もう!!」
もうどうにでもなってしまえ!
僕は一心不乱ボールを蹴った
ピッ、ピピーッ。
サッカーの試合が終わりを告げる。
🎈「はぁッッ、はぁッッ、」
しんどッッッッ!!なにこれ。点数はそこそこ決めれた方だろう。結構動いた方。
「す、すごい、!!」
「え!?かっこいい〜!! 」
「お前…すごいな、」
🎈「へ?」
点数を見るとこちらが勝っていた。それも大差で。それになぜか視線が僕に集まっている。えぇ…。
「サッカー…やったことないんだよ…な?」
🎈「う、うん。体育で少し触ったぐらい。」
「…今日のMVPだな、これ」
🎈「そんなに…?」
黄色の歓声だの感謝の声だのが飛び交っている。それに少し驚く。これが本来のあるべきクラスなのかもしれない。協力し、 一緒になって喜ぶ。あぁ、これがホンモノ。
「いやぁ、すごかったね!」
4限目が終わり、席に着く。やっと、落ち着ける。周りにはサッカー部と小野原くん、野村くん。いまさっきのことを振り返って未だ楽しそうだ。
「久々だ、あんな熱くなれた試合! 」
「分かるわぁ、神代もうサッカー部入んね?」
「それな!ほしい!」
🎈「い、いやぁ、僕部活しない予定だし…」
「予定、だろ?いいじゃんか、体験だけでも」
🎈「う、うん。考えとくよ。」
「っしゃぁ!」
そんなに嬉しいものかなぁ。でも、ここまで褒められたの初めてかも。
🎈「ふふふ、」
🌟「何笑ってるんですか?」
🎈「へ!?!?」
て、天馬くん!?
🎈「ど、ど、どうしてここに!?」
🌟「焦りすぎですよ。先輩が誘ったんじゃないですか。 」
あぁ、もう昼だったか。わざわざ、呼びに来てくれるなんて優しいな。
「あれ、神代くん。その子は…」
🎈「あぁ、天馬くん。たまたま仲良くなってさ。小野原くん。僕の友達だよ」
🌟「ペコッ」
え。礼だけ?、礼だけして僕の後ろにそっと隠れる。あんなに喋るのに。
🎈「え、あれ?」
「んー、人見知りかなぁ?」
🎈「そ、そんなはずっ!」
うわ、すごい頷いてる。そんな風には見えないけど。見かけによらないねぇ。裾を引っ張られる。
🎈「…..すまないね。お昼、食べてくる」
「ううん、全然大丈夫だよ。楽しんで!」
相手が優しい子でほんと良かったよ。
天馬くんのあとを追う。まだ、慣れてないし何があるか分からない。次第に階段になっていき、どんどんのぼってく。
🌟「つきましたよ。」
ドアがキーっと音を立てて開いた。
🎈「わぁ!すごいね!」
🌟「ボクの好きな場所です。」
金網一面に広がる空。今日は天気がいいから一層綺麗に見える。ここは屋上だ。
🎈「こんなところがあるんだね!」
🌟「こんなところって屋上ですよ笑」
ここまで綺麗なことあるんだ。
🌟「よし、ここにしましょう!」
ハンカチをひいて座っている。すごい、上品だな。そう思いつつも隣に座る。隣に座ったことにより顔が近くなった。肌…白い、。
🌟「…なんかついてます?」
🎈「あ、いや!なにも!」
顔を伏せるようにして見られないようにする。別に何もおかしなことではない。
🌟「そういえば、”神代先輩”。」
🎈「はひッッ!?」
🌟「どうしたんです?笑笑」
🎈「い、いや名前、。」
🌟「あぁ、帰り際に言ってましたから。」
後輩って呼べる人が出来るなんて。少し不思議な気分になるな。
🌟「それよりも。サッカー、凄かったですね!。授業中、暇だったんで見させてもらいました。」
🎈「そうかな?全然だけど…。って授業は、集中しなきゃダメだろう?」
🌟「えへへ、ついつい声がして…。でも、本当に凄かったです。何点も連続で決めて、。スポーツも出来るなんて聞いてないです!いやぁ、かっこよかったなぁ、なんて…..。え、?」
あれ、おかしい。顔が熱い。褒められただけじゃないか。なのに、なのに。物凄く嬉しくて。心臓が痛い。
🎈「ご、ごめ///」
🌟「顔が赤い…」
クラスの子から褒められるよりも何千倍も心地が良くて。あつい。あまりの恥ずかしさに腕で顔を覆う。
🎈「み、見苦しいから…///」
あぁ、最悪だな。こんな顔見られたくもない。恥ずかしすぎて逃げ出したい。
🌟「…..見苦しくともなんともない」
🎈「ふぇ、」
🌟「むしろ、可愛いぞ」
腕をどかし、天馬くんの大きい手が頭の上にのる。
🎈「あ、ちょっ///」
目を合わせられない。今、頭を撫でられてるんだよね?。考えられない。嫌だ?、ならはねのければ。でも…褒められるよりも心地いい。なぜか、不思議とふわふわする。なんだ、この感覚…。
🎈「たえられな…」
🌟「あ、え!?///」
未知の感覚に耐えられず、もたれかかる、。暖かい。陽だまりみたいだな。もっと、もっと…。
🌟「か、神代先輩ッッ…///」
彼の声を聞き、我に返る。僕の下に倒れている天馬くん。え、押し倒した?。
🌟「流石にここ…学校です///」
🎈「違うッッ///、そんな気はなかったからッ///そもそも天馬くんが頭を撫でるからッッ!/// 」
🌟「い、い、いや、ボクも無意識でっ///」
危なかった。天馬くんが止めてくれなきゃ、ほんとに危なかった。
🎈「す、すまない///」
🌟「大丈夫ですよ。」
彼を目の前にするとどうすればいいか分からなくなってしまうね。
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