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ある日のことだった。
購買から教室に戻ると、俺がいつもつるんでいるやつらが仁人に目をつけていた。
A「なぁ。おーい?聞こえてますかー?」
仁「(絡んでくんなよ、、めんどくせぇ…)」
A「おい、無視すんなって」
仁「(あぁもう..思い出すな,,,昔のことだろ)」
B「聞いてんのかよ」
一人の奴がそっぽ向く仁人の頭をぐいっと向けさせた。
勇「おい。やめろよ」
B「んだよ。勇斗こいつの肩持ってんの?笑こんなもさいやつ?笑」
勇「あ゛?」
A「てか、こいつ話せないんだろ?笑なに、話せないほどキモい声でもしてんの?笑」
そう言葉を放った瞬間
…仁人の目が死んだ。
ただそれしか分からなかった。
ここ数日間共に時間を過ごして、少しは仁人のことを分かっていたつもりだった。
だけど、マスク越しの表情も今だけはわかる気がしなかった。
勇「お前いい加減にしろよ。それ以上言ったら殺す」
A「じょ、冗談だって、笑あ、俺も購買行ってくるわ!行こーぜ」
B「う、うん、笑」
勇「おい、だいじょ,, 」
仁人は立ち上がって教室出た。
その後ろを静かに着いて行くと、向かった先は保健室だった。
勇「(あれ…屋上じゃないんだ、、)」
保健室に入り、扉が閉まったところで諦めて教室に戻った。
保「あれ、久しぶりじゃない。どうしたの吉田く,,1番奥のベッド空いてるよ。」
仁「"ありがとうございます"」
保「(…また、)」
それからというもの、気づけば放課後のチャイムが鳴った。
しかし、仁人は未だに戻ってきていなかった。
勇「(大丈夫かよ、あいつ…)」
2つのカバンを持って保健室に向かおうとしたが、扉の前で数分立ち止まって、結局諦めた。
扉を開けようとする手も、踏み出そうとする脚も重かった。
勇「情けな…、笑」
昇降口の方に足先を変えようとしたとき、保健室から先生が出てきた。
保「どうしたの?」
勇「あ…いや、、あのー..友達の荷物…」
保「あー吉田くんの?」
勇「あ、はい」
保「ありがとう。そしたら、1番奥のベッドで寝てると思うから、近くに置いといてくれる?」
勇「…わかりました,,」
保健室に入り、静かに奥のカーテンを開けた。
仁人は驚く程に静かに眠っていた。
カバンを近くに置いて、じっと仁人を見つめた。
勇「(マスク…つけてないんだ..)」
普段の素顔も見たことはあるけど、眠っている姿はより一層綺麗だった。
手を伸ばして、頬に優しく触れた。
勇「ごめん…」
自分のカバンを持ってカーテンを開けると、先生がこちらを見て尋ねた。
保「吉田くんのお友達、よね?」
勇「はい、?」
保「もう帰るの?」
勇「仁人起きそうにないんで…笑」
保「じゃあ、少しここにいたら?私とお話しましょ」
そう言うと、自分の向かいにある空いている席を指した。
椅子に腰掛け荷物を足下に置いた。
座ったのはいいものの、何か話すという雰囲気はなく、ただ先生と視線が合った。
俺を見定めているような気まずい空気を切り出したのは先生の方だった。
to be continued…