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#感動的
#希望
#魔女
水の魔女セレン(瑟伦)
ザザーン……ザザーン……カァーッ、カカカッ─
海の音とカラスの鳴き声が、不気味に夜を裂く。
セレン「海が綺麗ね…」
黒猫・カレン「あ、あ……」
猫が低く鳴く。
猫「ナァーッ、ナァーッ……」
黒猫・カレン「!」
セレン「どうしたの?」
黒猫・カレン「この子の少女が……攫われた!」
その瞬間、猫はぐったりと倒れた。
セレン「ちょ、ちょっと大丈夫!」
カレンが匂いを嗅ぐ。
黒猫・カレン「衰弱している…でも命に問題はない」
私は猫に魔法をかけ、温かい光が全身を包む。
猫はしばらく目を開けなかったが、やがて力強く瞬きをした。
私たちは猫を抱え、ホテルへと連れ帰る。
その後、少女が連れて行かれた島へ向かった。
セレン「随分と荒れた島ね…」
黒猫・カレン「気をつけろ…人の死臭が酷い」
セレン「分かったわ」
私は魔法で姿を隠そうとする。だが……
セレン「魔法が…効かない…」
黒猫・カレン「嘘だろ…!」
島の森を慎重に進む。湿った風に腐臭が混じり、鳥の声も聞こえない。
やがて、檻の中に少女を見つけた。
セレン(小声)「見つけた…」
私は駆け寄り、檻の鍵をピッキングする。
だが、怒声が響いた──
???「Yu! Wanem samting yu mekim i stap long hia!?」
(おい!お前、そこで何をやっている!)
黒猫・カレン「まずい!逃げろ、セレン!あれはカニバリズムだ!」
檻を離れ、少女を抱き上げて走る。
久しぶりに全力で走る身体は、ただの人間になった今、悲鳴とともに重く感じた。
セレン「も、もう無理…」
怒声が背後で叫ぶ──
カニバリズム「Sindaun!!」
(待て!!!)
少女「私はいいから!早く逃げて!あと5メートル泳げば、魔法が使えるから!」
黒猫・カレン「セレン、行け!今だ!」
セレン「なんで…私だけが…」
重い身体を海に投げ入れ、箒に飛び乗る。
水しぶきが冷たく肌を刺す。
振り返ると、カレンが追ってこられなかったことに気づき、胸が締め付けられる。
セレン「なんで、私ばっかり…」
だが、少女を守るために、私は再び前を向く。
夜の海に波の音だけが響き、島の影が揺れる。
今回は……笑い声は聞こえなかった。
だが、この静寂も、長くは続かないことを、私は知っていた。