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僕の名前は西島 夢叶
黒と赤の目が嫌でも目立つこの顔で、デニム色の長いとは言えない髪。赤いチョーカーに舌ピ、オマケに感情によって模様が浮きでる左目。先生や親には
「もっと普通にしろ」
と何度も言われたけど、もうそんな声は届かない。どうせ僕は普通じゃないし。普通でいられるような世界じゃない。
だって、僕は……死ねない。
首を切られても、胸を刺されても、息が止まっても、何度だって蘇る。不老不死なんて聞こえはいいけど、実際はただの呪いだ。
高校に入学すると同時にバイトを始め、1年経った今…家を出た。別に親が嫌いだった訳じゃない、ただただ居心地が悪かった。
最初は順調だったと思う。
ただ高校生活と1人暮らしを両立するのは難しかった、毎日もやし生活 水道代や電気代を気にしてお風呂でゆっくり出来ない。
そんな不満を心に積もらせながら今日も学校に行く。
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教室のドアの前に立つ。あぁ…今日だ、息と心拍数が上がり手が震える 勇気を振り絞って教室のドアを開ける。
開けた瞬間一瞬教室が静かになりこちらに視線が向けられる、正確には向けられているような気持ちになるだけだ。
僕は目を逸らし自分の席に静かに向かう、まだ視線を感じる、先程とは違う何かねっとりとした視線。 いつもの事だと大丈夫だと自分に言い聞かせながらカバンから物を取り出し机にしまう。
一通り終わると僕は視線に耐えかねて教室を出る。
廊下のタイルだけを見ながらトイレを目指していると人とぶつかってしまう
「う゛ッ」
僕の小さな悲鳴が学校の廊下に響く
「ご、ごめん!!大丈夫ッスか?」
頭上から頭が痛くなるくらい大きな声が降ってくる、見上げるといつも女子に囲まれている先輩が手を差し伸べている。
なるべく関わりたくない人種だ、そんな事を考えながら差し伸べられた手を取る。彼の手は筋肉質で豆が潰れた後のようなザラザラ感があった
「怪我なさそうで良かったッス!」
ニハッと笑いかけてくる、ファンクラブの女子達が来る前に逃げたいと思い喉輪振り絞って声出す
「ご、ごめ…んな、しゃぃッ」
最悪だ、声は震えるし裏返ってしまったオマケに舌を噛むなんて…
そんな事を考えていると先輩が口を開いた
「大丈夫ッスよ。オレ、朝霧 蓮司って言うッス、じゃぁまたね、後輩ちゃん、」
そういうと朝霧先輩は僕の横を通り過ぎて行った。
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しばらくトイレで本を読んでいると完全登校のチャイムが聞こえた
「もうそんな時間か…」
僕は本を制服のポケットにしまうとトイレを後にする。
教室に戻るのは憂鬱で重い足を引こづるように歩く。歩いてる途中も視線が僕を刺す、被害妄想なのはわかっているが息苦しくなるそんな自分が嫌いだ。
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教室に向かう途中で担任と遭遇する
「夢叶…偶然やな、一緒に教室行くか?」