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翌朝。
💜「……ねむ」
辰哉は欠伸をしながらリビングへ入ってきた。
💛「珍しいな」
💜「全然寝れなかった」
💛「風邪ぶり返したか?」
💜「違う違う」
照はコーヒーを淹れながら辰哉を見る。
目の下にはうっすらクマができていた。
💛「今日は早く寝ろ」
💜「そうする」
でも。
辰哉が眠れなかった理由は、風邪でも仕事でもない。
昨日のことを思い出すたびに、胸が落ち着かなかったから。
────────
その日の夜。
二人はソファで映画を見ていた。
静かなヒューマンドラマ。
途中から辰哉は何度も欠伸をする。
💛「眠いなら寝れば?」
💜「最後まで見る……」
そう言った五分後。
💛「……」
辰哉の返事がない。
照が横を見る。
💜「……すぅ」
寝ていた。
しかも。
昨日と違って、照の肩にもたれかかるように。
💛「……」
照は固まる。
起こそうと肩へ視線を落とす。
眠っている辰哉の表情は穏やかだった。
(……疲れてたんだな)
照は結局、起こさなかった。
テレビの音量を少し下げる。
少しだけ肩が重い。
でも、不思議と嫌じゃなかった。
────────
三十分後。
映画が終わる。
エンドロールが流れ始めた頃。
💜「……ん」
辰哉がゆっくり目を開ける。
💜「……あれ」
状況を理解するまで数秒。
そして。
💜「……え?」
照の肩にもたれていることに気付いた。
勢いよく体を起こす。
💜「ご、ごめん!」
💛「起きたか」
💜「なんで起こしてくれなかったの!」
💛「気持ちよさそうだったから」
辰哉は顔を真っ赤にする。
💜「恥ずかしい……」
💛「そんなに?」
💜「めちゃくちゃ恥ずかしい!」
照は少し笑う。
💛「重くなかったし」
💜「そういう問題じゃない!」
💛「じゃあ?」
💜「……」
答えられない。
照の肩で眠っていたことが、妙に意識されてしまう。
────────
片付けを終え、それぞれ部屋へ向かう。
廊下で。
💜「照」
💛「ん?」
💜「今日は……ありがと」
💛「何が」
💜「その……肩」
照は少し照れくさそうに笑う。
💛「貸しただけ」
💜「普通貸さないでしょ」
💛「辰哉だから」
その一言に、辰哉は言葉を失う。
💛「おやすみ」
💜「……おやすみ」
ドアが閉まる。
部屋へ入った辰哉は、その場にしゃがみ込んだ。
💜「辰哉だから……って」
顔が熱い。
一方、照も自室でネクタイを外しながら苦笑いしていた。
「辰哉だから」
あまりにも自然に出た言葉だった。
気付けば。
“同居人だから”ではなく、“辰哉だから”。
理由が少しずつ変わり始めていることに、照自身もまだ気付いていなかった。
コメント
3件
そこの変化メロい
寝ようとした時、ずっとひーのこと考えてたの!?かぁいいいいい!!!
第23話、読ませていただきました。“辰哉だから”――照さんがあまりに自然に口にしたその一言が、二人の関係性の変化を静かに照らしていて、胸がぎゅっとなりました。肩を貸す側も借りる側も、無意識に距離が縮まっていく感じがとてもリアルで。照さん自身がまだその理由に気づいていないラストも、続きが気になる終わり方でした。素敵なエピソードをありがとうございます🌷
junp
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絶対辰哉
268
#岩本照
絶対辰哉
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