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〜想い〜 fourth
勇斗ver
『次の撮影の後さ、ちょっと話さねぇ?』
でもつぶやいた後に、何を自分でも言っているのかと、スマホを握る手が一段と強くなった。
話すって、仁人に傍にいてほしいと願うのか?
ただ、『分かった』と少し枯れた声。受け入れてくれた言葉を聞いて。多分、同じ想いなのだと確信した。ずっと一緒にいたのだ。俺が傍にいたいと思い始めた時、仁人の纏った雰囲気も変化していったのが分かった。どこか、今までよりも神経を尖らせるような痛い空気。これ以上は踏み込ませないと、抑えなければ、と。
自分だって、隠さなきゃいけないと考えていた。壊したくなかった。馬鹿なことを、と何度も押し殺そうとした。
でも、この声を仁人に届けても良いんじゃないか。だって何も変わることはない。負の気持ちなんかじゃない。今までの関係が崩れるわけじゃない。それを糧に更に上を目指せばいい。俺たちなら、できる。…そうだろ?仁人。
撮影日の当日。アイツはきっと…自分の考えを巡らせて、ひたすら悩んでいるんだろう。でも、今日はちゃんと伝える。逃がさない。
撮影後、楽屋に戻ってくると柔太郎の声。
「どうする?飯でも行く?」
そうだよな、いつもならこの流れで飯にいくし。仁人の顔を見るけど、あからさまに目線落としていて。分かりやすい。
「あー、明日ちょっと遅出だから行くわ〜」
太智も参加するのか。
「何食べよか〜、勇ちゃん、仁ちゃんは?」
舜太がこっちを向いている。きっとこの流れだと、仁人は行くって言うだろう。でも、今日は行かせない。
「あー、マジごめん。俺仁人と2人で飯行くって約束してて」
その声に3人はすぐ納得してくれる。仁人は…ほら、そんな顔するなよ。もう嫌なんだ。いつもみたいに、笑い合って、ふざけ合って、M!LKの俺たちをまとめてくれるのはお前だろ?
「店とってあるから」
仁人の好きな店。掴んだ手首はやっぱ震えていたけど、俺は決めたから。今日はお前を離さないって。
『俺だって、ほんとうはふたりでいっしょにいたい…って思ってた』
ほら、やっぱり。直接紡いでくれた仁人の言葉が響いてくる。嬉しくて、自分が想像していた以上に満たされる、感情。
『…知ってる。ずっと一緒にいるんだから、お前のことは分かってる』
いつもの仁人だった。いつも色々考えすぎるところも。一歩進む度に周りのことを大事にしすぎるところも。自分のことは後回しにして、傷つく事も受け入れてしまうところも。全て、吉田仁人という存在なのだ。
『俺も勇斗が好きだよ』
一生懸命に紡いでくれたその科白。本当に愛おしくて。あー、もう一回言って。
今はふざけ合うことで、仁人が戻ってくるのが分かるから。ここは、ちょっと一歩譲ってあげる。でもさ、仁人。ほら、何も変わらないよ。大丈夫。これからもお前がありのままの自分でいられるように、俺が傍にいるよ。
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#さのじん
自分夢の中
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