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沢山人のいる教室。
部屋の隅の席で音楽を聴いて外を眺めるのが大好きだ。
教室では3年の藤澤先輩の話が広まっている。
藤澤先輩はフルート、ピアノが上手なんだ。
大きい目、可愛く笑うその姿。とても愛おしいんだ、
雨の日に助けてくれたの、未だに覚えてますよ、
大雨の日、僕は傘を忘れた。
何とか鞄で頭を守れないかと、鞄を頭に乗せる。
fjsw「ちょっと君、?」
あの学校中で有名になっていた藤澤先輩が今横に居る。
omr「え、ぁ…えっと…藤澤先輩、?」
fjsw「名前知ってくれてるの、?!ありがと~!」
そう言って僕の手を取って握った。
暖かい温もり。大きくて綺麗な手、
omr「どうしたんですか…?えっと…その…なんて言うか、」
fjsw「僕も傘忘れちゃった!」
…ぇ。すご、こういう時って傘貸してあげるんじゃ。
omr「そ、そうなんですね…」
fjsw「自分の分を忘れちゃったの~、ほんとだめだなぁ~」
自分の分…?僕のはあるってこと、?
fjsw「相合傘…、するの嫌だよね、」
相合傘…、?!学校一の先輩と相合傘…、ご褒美と言っても過言ではない。
omr「いいですよ、その…ぅれし、い、です…」
fjsw「ほんとっ?!嬉しいなんて、照れちゃうなぁ///」
あ。口に出しちゃった…
すると、後ろからカメラのシャッター音が聞こえた。
誰かが見ているのかと思い、後ろを向く。
omr「なんか…聞こえませんでした、?」
fjsw「ん?そうかな、早く帰ろ~!」
先輩はもう一度僕の手を握り、傘を開いた。
omr「手、繋ぐんですか、?」
fjsw「ぁ、っだめだった?ごめんね、」
いや、そんな事ない。
勇気を出して、先輩の手に触れてみる。
fjsw「繋ぎたいの?可愛いな~、」
先輩は恋人繋ぎをしてくる。デートでもなんでもない。
それから話しながら帰った。
僕の家に着くと、藤澤先輩は微笑んで僕に手を振った。
その次の日、教室に入った。
すると、一気に僕の方に視線が向いた。
omr「ぇ、何、?」
モブ1「何?じゃない、なにこれ、 」
それは、僕と藤澤先輩が手を繋いで帰っているところ。
下駄箱前の階段で話しているところが撮ってあった。
omr「…別に、何も無いから。」
そう言って席に座ろうとする。モブが手を掴んできて、僕にビンタをした。
頬にじんわりと痛みが伝わる。そして、瞳からは涙が溢れる。
モブ2「女子の気持ち分かってる?!こんな事するから藤澤先輩が男好きになるの!!」
知らねぇし、そんなの関係あるか?こんなことで大袈裟すぎ。
wkI「おいお前ら!!」
違うクラスだけど中学校から一緒で仲がいい若井だ。
wkI「元貴、おいで」
優しく呼んでくれる。若井が友達として大好きだ。
若井の方へ行くと、抱きしめてくれる。
wkI「お前ら二度と元貴に手を出すな。」
モブ2「なんでそいつを庇うの?!私達が悪いみたいじゃん!」
omr「…若井もういい、後、もう僕に関わらないで。」
wkI「元貴、?なんで、」
omr「迷惑かけるだけじゃん。そんなの親友として恥ずかしい、」
若井も巻き込まれてしまう。そんなのは嫌だ、若井を傷つけたくない
wkI「俺に甘えてくれてもいいんだよ、お願い、元貴…」
omr「こんなことで大袈裟すぎるんだよ、!!自分勝手で話進めやがって…、っ! 」
omr「僕だって…、僕だって藤澤先輩と話したいし、…っ!」
もう誰とも話したくない。みんな嫌いだ、すぐ負ける自分も嫌いだ。
でも…、藤澤先輩は、好きだ。