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〜桜木花道side 〜
定期テスト明け、今年はちょうどテスト後休みと祝日、土日が重なり、県内の宿舎で合宿をすることになった。
2日目の朝、ドリブルの音で目が覚めた。
やべっ!寝坊した!?
焦って時計を見たが、まだ集合時間ではなかった。
まったく…誰だ?朝から驚かせやがって…
そっとカーテンを開け、外見ると、外のコートでルカワがドリブルをしていた。
キツネめっ…そんなんだから食事中に寝るんだよ、バカめ。
ジャマにし行ってやろう…。
そう思い、布団から立ち上がる。
ガタッ
なんだ…これ。
立ち上がったつもりが、いつの間にか尻もちをついていた。
体が重い…。なんかやべえ気がする。
仕方ない。キツネのジャマは明日にして、もう少し寝ておこう。
・・・
結局、立ち上がった反動でずっと心臓がバクバクして、寝付けないまま、朝食の時間になってしまった。
やっぱりおかしい。食欲が湧かない。
とりあえず出された量は食べ終えたが、昨日だったら2回もおかわりしていたのに、今日はもうお腹いっぱいになっている。
「花道、もう終わりか?昨日と全然違うじゃないか。」
りょーちんが心配して声をかけてくれる。
「もうへばったのか、桜木。昨日の練習ごときで。」
「んな訳あるか!この天才が。へばってんのはミッチーの方だろ。」
「そうですよ三井さん。朝から筋肉痛が、とか喚いてたくせに。」
なぜか俺とりょーちん二人からバッシングを受けるミッチー。
早く片付けろというゴリの声やおしゃべりをするヤスたちの声が妙に遠く感じる。
眠い…。いや、ルカワじゃねえんだから。
食器を片付けて、練習着に着替えるために部屋に戻ってきた。
なんかクラクラする…。
やっぱり今日は体調悪いのか?
でも練習してたら治る気がして、体の異変を無視して体育館に向かった。
〜流川楓side 〜
練習前のモップがけを終え、ランニングに入った。
いつもなら俺を追い越そうとしてくるどあほうが、今日は妙に静かだ。
ランニングを終え、パス練を終え、俺たちはシュート練、どあほうはドリブルの基礎練の時間になった。
なのに、どあほうはなぜか俺の方に向かってきた。
「てめーはドリブルだろ。」
いつもなら「ふんぬーーっ!わかってらい!」とか言ってくるのに、今日は何も言わない。
様子がおかしい。
目線が合わねえし、歩き方がふらふらしている。
至近距離になり、どあほうがなぜか歩くのをやめた。
「お前、」
体調悪いんじゃねーの。
そう言おうとしたとき、ヤツが俺にもたれかかってきた。
「ル…カワッ」
「おい、」
声をかけても反応がない。
はぁ、はぁ。
肩で息をするように呼吸をしている。背中を触ると、とてつもなく熱かった。
ガクンッ
どあほうが膝から崩れて落ちるのを咄嗟に抱えて食い止める。
「花道!」「桜木っ…?」
異変に気づいた先輩たちが駆け寄ってくる。
「彩子、宮城。先に桜木の部屋に行って布団を敷いておいてくれ。木暮、水とタオル。流川、そのまま桜木を運べるか?」
「ウス。」
キャプテンの指示で一斉に動きだす。
どあほうを背中に抱えて、廊下に出る。
ヤツは移動中も苦しそうに呼吸をし、額には汗が滲んでいた。