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〜木暮公延side 〜
ひとまず、倒れた桜木の面倒はみんなで交代で見ることになった。
一時は呼吸も苦しそうで、救急車を呼ぼうかも迷ったが、仕事から合宿に合流してきた安西先生が様子を見ましょうと言い、今に至る。
にしても、桜木もまさか体調が悪いときに流川に駆け寄るなんて。
一年コンビの仲が深まってきていると感じていいのだろうか?
「んっ…。」
桜木がうっすらと目を開けた。
「桜木、大丈夫か?親とか連絡できる人いるか?」
「俺…。」
「練習中に倒れたんだよ。」
まだ意識が朦朧としているのか、桜木は天井を見つめたまま小さな声でしか話さない。
「連絡…。」
「電話番号さえ教えてくれたら、こっちで電話かけるから。」
「メガネくん。机の…上のメモ…。」
言われたとおり、机の上のメモ帳を開くと電話番号が書いてあった。
「桜木、ちょっと電話かけてくるから。寝てていいよ。」
聞こえたのか、聞こえてないのか、桜木はぼーっとしながら、そのまま目を閉じた。
宿舎内の電話を借りて、メモに書いてある電話番号を入力する。
何コールかした後、受話器を取る音が聞こえた。
「もしもし、湘北高校バスケ部の木暮です。」
「えっメガネくん?水戸洋平だけど。」
桜木…。これは親の電話番号じゃなかったのか。
まあ彼にとっては水戸も親同然なのだろう。
「ごめん、桜木が倒れて。親に連絡しようと思ったんだけど、まさか渡された番号が君のだったとは。」
「それ大丈夫なの?」
「今、部員で交代して看病してて。でも、本人は結構辛そう。」
「分かった。今から行くから、場所教えてくれない?」
水戸に宿舎の場所を教え、電話を切った。
ちょうど練習も休憩時間になり、桜木の看病は三井と変わることになった。
友達の看病に来てくれるなんて。親よりも親らしいな。
バスケ部襲撃事件のときも彼はバスケ部を助けてくれたし。
素晴らしい友達を持った桜木を微笑ましく思った。