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――夜。マンション。
玄関のドアが開く音。
高良「ただいま戻りました」
愛空「……おかえり」(ソファに座ったまま)
声はいつも通り。
でも、空気は違う。
高良「……」(少しだけ違和感を感じる)
高良「何かありましたか」
愛空「別に」
高良「そうですか」
――沈黙。
愛空は、ゆっくり顔を上げる。
愛空「ねえ高良」
高良「はい」
愛空「さっき一緒にいた人、誰?」
高良「……」(一瞬止まる)
高良「……ご覧になっていたのです」
愛空「うん」
高良「……私の交際相手です」
愛空「……ふーん」(笑う)
愛空「可愛いね」
高良「……ありがとうございます」
愛空「優しそうだし」
高良「はい」
愛空「……」
――言葉が、軽い。
軽くしないと、壊れるから。
愛空「大事なんだ」
高良「はい」
愛空「……そっか」
――それだけで、十分だった。
全部分かった。
愛空「……じゃあさ」
高良「はい」
愛空「ウチって何?」
高良「……」
愛空「家族?」
高良「……はい」
愛空「守る対象?」
高良「……それも含まれます」
愛空「……」
一瞬、笑いそうになる。
愛空「それだけ?」
高良「……はい」
――終わり。
完全に。
愛空「……そっか」(立ち上がる)
高良「愛空さん」
愛空「なに」
高良「顔色が――」
愛空「うるさい」
高良「……」
愛空「ほっといて」
――そのまま部屋に戻る。
ドアを閉めた瞬間。
愛空「……っ」
息がうまくできない。
(分かってたのに)
(なんで聞いたんだろ)
(バカじゃん)