『ねぇねぇねぇ。』
「ねぇ。昔さ、キミとこれで色んなお話して遊んでたよね。」
セカイに1人。
1つのセットの糸電話を手に持ち、ぽつりとそう呟く。
「……また、これでお話、できたらいいな…」
もう『また』なんてないのは知っている。だって、キミは僕より楽しい話し相手見つけちゃったんだもん。
けど。今だけは、まだ遠い日の思い出に浸らせてほしい。
そんなことを考えながら、僕は片方の糸電話に手を伸ばす。
懐かしさと共に目から涙が溢れてくる。
「ねぇねぇ、ねぇ。」
あの日キミとした話を思い出しながら、誰にも繋がっていない糸電話に向かって1人、涙を拭いながら話し始めるのだった。
…ねえ、ちゃんと僕のこと、見てくれてる?
コメント
2件
「ねぇ、僕のこと、もっと見てよ…!なぁ、見てんだろ??ね、見てんでしょッッ!!!……お願いだよ、返事してよ…