テラーノベル
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前提
さのじん。付き合ってます。
💛目線で8話予定。
ただ、字数は各話ばらつきます
なるべく同じボリュームにしたかったんですが、ちょっとムリそう
ただいま
そんな言葉と共に後ろからくっついてくる。
んー。
軽くキスされて、触れるだけのつもりだけでいたのに、勇斗は離れない。
くちびるを追って、もう一度、もう一度と、子どもみたいにせがんでくる。
「……なんなの」
離れないまま、くぐもった声で囁いてくる。
「やっぱさ、こういうのいいよね」
「なにが」
「なんでもない日」
勇斗はそう言って、今度は肩に顎をのせてくる。
さっきまでの甘え方より、少しだけ穏やか。
「帰ってきたときに、じんとが普通に居るの。何もないのに、不思議だよね」
急に噛み締めるような、でも妙にまっすぐで、何を問いたいのか吐き出したいのか、返事に困る。
「……まあ、悪くはない」
「出た、悪くはない」
くすっと笑って、また首元に顔を寄せてくる。
さっきよりも、少しだけ温度が近い。
「ほんとは?」
「……いいと思ってるよ」
「うわ、珍しい」
「うるさい」
随分と心を素直に出すようになったけれど、どうしたって照れ臭い。
振り返って軽く頭を小突くと、嬉しそうに目を細める。
ほんとに犬みたいだな、と思いながら、ひっついている温もりを剥がして、
「何か食う?」
との問いかけに、いや、もう食べてきたから、という答え。時間も時間だしそれはそうか。
軽く息を吐き、ソファに沈み込むと、声が落ちてくる。
「ねえ」
「ん?」
「こういうの、続くといいね」
その言葉に、なぜか反発を覚える。
嫌なわけじゃないのに、続く、なんて簡単に言うなよ、と思う自分がいる。
「……続ければいいでしょ」
ぶっきらぼうに返すと、勇斗は満足そうに「そっか」と頷いた。
そのまま、何も言わずに隣に座り込んでくっついてくる。
なんでもない夜が、静かに出来上がっていく。
4
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