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ミン亀
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#明太子に食われる鈴木
明太子に食われる鈴木
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揚げさん
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しゃけ
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飛行機の中でカナダにメールを送れば、たちまち
”誕生日プレゼント?父さんから!?”
“えぇ、偶には”
“珍しいね、ありがとう!“
「珍しい」
確かに此処数十年忙しくて気付けば誕生日を1ヶ月過ぎてる…なんて事ばかりでしたからね。
子供孝行も何もない。
子供の誕生日を忘れるなど、親としてありえないです。
…私は本当に彼らにとっての毒なのですね
“いえいえ”
思いを噛み殺し、返信した。
”楽しみにしてるよ。空港で落ち合おうね”
昔と大差ない雰囲気、大差ない言葉遣いのメッセージが返ってくる。
やはりカナダはカナダだと実感させられた。
フィンランドとカナダの時差は7時間。丁度向こうでは7/1になったところだろう。
現地時刻にしても、残り8時間のフライトを経れば朝の8時。移動も含めるとプレゼントを家に着いて渡せるのは12時くらいだろうか。
GB「できれば0時ぴったりに合わせたかったですね…、」
後悔しながらまた窓の外を見る。分厚い雲のせいで黒い空。
星は全く見えない。
その時、スマホが光り通知音が鳴る。
嫌な予感がした。
“親父ー“
嫌な予感は的中せず。
来たのは珍しくアメリカからのメッセージ。
”カナダのとこ行くって本当?”
“えぇ、まぁ”
“俺も行っていいー?”
アメリカはきっと終末旅行のことは知らないでしょうし…。
…まぁ第一私に興味なんてないからいいですか。
“……まぁいいでしょう“
”てか電話繋いでいい?”
“へ?”
予測していなかった返答に間抜けな声が出る。
アメリカのこんな提案も幾分か久しぶりである。
“いえ、今機内なので無理です”
“そっかぁ、、”
残念がる文面。アメリカの声が聞こえてくるようだった。
“じゃあ暫く話してようぜ!”
アメリカとの会話は他愛のないところから最近の国の様子まで色々だった。
彼が好かれているのがよくわかるエピソード。
GB「……もう、…立派な国になりましたね」
ふと零れた本音。自分でも何故零れたのかわからない。
ただ、電話じゃなくて本当に良かったと思うばかりだ。
その瞬間、アメリカから電話がかかってくる。
嫌な予感は的中していた。
…そうだ、この便“機内ケータイ対応機”なんだった、、。
完全に忘れていた。
無視するのも又気が引けるのでしょうがなく電話に出る。
“親父?”
アメリカの元気で、少し低い声が聞こえてくる。此処数年ちゃんと会話していなかったから、久しぶりに聞いた彼の声が私より低いことに今気付く。
“…なんですか”
“最後に悩み相談していい?”
“あんま文面に残したくなくて“
アメリカが文面に残したくない悩み?珍しいですね
でも父親として悩み相談は当たり前。喜んでお受けしましょう
”まぁいいですよ“
”……親父、今どこにいる?“
”だから機内って__________”
“何処へ向かう予定なんだ?”
“カナダ、ですけど…”
“そのあとは?”
“アメリカにでも行こうかなと”
“へぇ…。”
咄嗟についた嘘。三枚舌はまだ抜けない。
“あのさ”
“…親父最近悩んでることとかねぇの?”
“…え“
急なアメリカの質問に声が掠れた。私に演技が下手でボロが出たのだろうか?
“いえ、特に何もありません。第一私が悩んでるように見えます?笑”
“…ふうん”
悟られたくなくて自嘲気味になってしまった。でもどうせアメリカはこれで信用するのだ。
でもなんだか、_____。
“…でも、ッ”
言葉を紡ごうとしたけど、
何故か声が詰まった。
分かってるだろ
他を頼るな
自己解決しろ
ここで弱みを出すな
いい加減にしろ
ただでさえ迷惑をかけたのに
これ以上嫌われるな
終末旅行の意味がなくなる
わかってるんだろ
[役立たずにはなるな]
いつしか自分を責める幻聴に、お父様の声が聞こえるようになっていた。
被害妄想だと知っているのに
怯えることしかできなくて
ただ苦しいと
ただ悲しいと
ただ辛いと
言うこともできなくて
自滅して一人で苦しむ私に
そんな救いの手が来る筈もなく
結局これも救いの手を払う言い訳であって
…好意を踏み躙っていて
でも相談もおこがましくて
“私は…、ッどうすればッ……”
“…親父?”
“やっぱりなんか悩んで______”
ブツン
無理矢理電話を切った。
アメリカに合わせる顔がなくなると分かっていても。
私にはそれしかできなかった。
気付けば搭乗時間も後30分。
もう体力を消耗し過ぎた。
…少し寝ようか______、嫌
寝れば悪夢に魘されて_______
GB「しかたない、…」
GB「アメリカと…カナダに…迷惑はかけられませんから…」
白いスーツに白い帽子。私とはまさに真逆の服装の白紳士。
赤い瞳はどこか冷酷で
白いスーツも温度がなくて
口元は下がっていて
私を見下している。
GB「おとう、さま」
EN「…早く死ねば良い」
EN「…役立たずが」
EN「そんなんで愛されると思うな。甘えるな。」
GB「…ごめ、なさッ…」
FR「謝ればいい訳じゃない」
FR「習わなかった?笑」
フランス…?なぜ貴方がここに
US「親父って本当鈍臭ぇな」
US「…嫌、父ですらないか」
アメリカも…、どうして
CA「まぁ…もういっか」
CA「正直父さんの代わりなんて幾らでもいるもんね笑」
カナダまで…、?
貴方たちは、
こんなにも私を恨んで
罵りたいほど嫌っていて
私に存在価値を見出していない
…ならば
ここで死ぬのが性というものか
目の前に誘うように落ちている食事用ナイフを取った。
細く、でも鋭いその刃。
これなら苦しまずに逝ける。
ナイフを首へ近づける。
手が震える。唇が震える。
目から涙が溢れる。
涙で片眼鏡が汚れる。
GB「…誰かに、ッ」
GB「助けてってッ言えなくて…ごめッ、なさいッポロポロ」
一息に、ナイフを首に押し当てる。
痛みとともに温かい何かが指に纏わりついてくる。
ん__________
とう_____ん
父さん、
父さん‼︎
CA「大丈夫…?父さん」
さっきまで搭乗していたはずの機内はそこになく、気付いたのはカナダの車の中だった。
GB「カナダ、ッ…?」
CA「父さん機内で寝ちゃって全然起きないから…ここまで連れてきたんだ」
CA「魘されてたけど大丈夫…な訳ないか」
GB「…ええ、少し悪夢を見まして」
一度疑うとカナダが本当のことを言うまで信用しないのなんて知っている。
彼の観察眼には敵わない。
CA「父さん…ちゃんと眠れてる?」
今だってそう。彼の観察眼は些細な違いをも逃してはくれない。
GB「ご安心を。しっかり寝てます」
それでも私は親として、笑顔を作るべきなのだ。変な心配をかける親がどこに居る?
CA「そう……、」
落ち込むカナダをフォローしようと、急いで旅行鞄から持ち込んだジャケット…プレゼントを出した。
GB「…カナダ。その……」
CA「なぁに?」
GB「誕生日…おめでとうございます。遅れてすみません」
CA「……‼遅れてなんかないよ!」
カナダの目が輝いた。車を器用に走らせながら、喜びの言葉を羅列させていく。
CA「父さんからは何もらっても嬉しいし…本当、大好き父さん‼」
GB「…ありがとうございます」
そんなこと思ってもいないくせに、無理して言わなくてもいいのに。
GB「私も…大好きですよ」
まぁ私はそれでも貴方を好きでいますよ。
自分の息子にも本音が言えない。
誰も信頼できない、信用さえもできない。
私は誰の何なのだろう。
カナダの隣で考えて、考えて…
会話しながら嘘を吐いて、楽しんでいるふりをして。
楽しいはずなのに、
大好きな息子の隣なのに。
家に着いた頃に、私の手元に残っていたのは虚無感だけだった。
コメント
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くじら🐋🫧さん、第9話拝読しました。 イギリスの心の内が痛いくらいに伝わってきて、特に悪夢のシーンと、カナダに「大好きですよ」と笑顔で言いながら本音を閉じ込めてしまうところが胸に刺さりました。大好きな息子の隣なのに虚無感だけが残るラスト、その温度差がとても切なかったです。続きが気になります。