深夜テンションで書いたお話です。
どぞ!
ちなみにわなかぶです
華太の右目が見えなくなった。
闇医者から連絡を貰って急いで駆けつけてみれば、華太はベッドで寝息を立てていた。
右顔面に包帯を巻いて。
見れば見るほどに痛々しく、傷が塞がりきっていないのか包帯に赤く血が滲んでいた。
顔以外にも、腕や鎖骨あたりにも傷の痕が伺えた。
いったい何があったのか。考えをめぐらせていると、部屋に氷室が入ってきた。
氷室「和中、来ていたか」
和中「……何があった?」
神妙な面持ちでそう問うと、氷室は顔を顰めながら診断書を俺に差し出した。
氷室「銃弾6発被弾に加えて刀傷も所々あった。あと爆風による火傷が2箇所。逆になんで生きてるのか不思議だ。……あと、右目も刀傷だな。眼球の細胞を完全に壊されてる。見た目は直せるが中身は修復不能だ。…もう、見えることはないだろう」
氷室から告げられた華太の状態に、俺は何も答えることが出来なかった。
氷室「意識が戻るかも分からない。傷が深すぎる。このまま熱が下がらなかったらまずい。両目とも失明じゃなかった分まだマシだが…もし起きたら、自分の身の大切さをしっかり叩き込んでやるんだな」
和中「…ああ。そのつもりだ」
俺がやっとの思いでそう答えると、氷室は部屋から出ていった。
和中「華太」
まだ寝こけたままの舎弟に声をかける。
いつもならすぐに返事を返してくれるのに、今日は何も答えてくれない。
当たり前だ。
銃傷に刀傷に火傷。
何者かの襲撃と見て間違いないだろう。今日はカチコミではなく、ただの守代の回収だけだったはずだ。
本来なら華太の舎弟が1人ついて行くが、今日は全員が出払っていて、同行できる人員が誰もいなかったため、急遽一人で行くことになったのだ。
つまり華太のみを狙った計画的犯行。
和中「誰がやった………」
俺は華太の額に手を当てる。
出血のせいで熱が上がっていて、苦しそうだ。
小峠「……う゛…ぐ、………っ……」
和中「安心しろ。お前を襲った奴は全員俺が叩き切ってやる…」
そっと右目の包帯に触れてみる。
少し触っただけで華太の血が着いてしまった。どれだけ深い傷だったのだろうか。
すると、部屋にまた誰かが入ってきた。
須永「華太ぉ!」
永瀬「華太!クソッタレぇ!」
同じく連絡を受けた須永の兄貴と永瀬だった。
走ってきたのか、息が上がっている。だがそれをものともせずに須永の兄貴は寝ている華太に近づく。
須永「華太きゅぅん……大好きな兄貴が来てやったんだから起きなってぇ……頸動脈噛みちぎっちゃうよぉ…?」
一方の永瀬は俺に近寄り、手に持っていた診断書をひったくって食い入るように見た。
全て読み終わると、目を見開いて診断書をぐしゃりと握りつぶした。
永瀬「おいおい……どういうことだよこりゃァ…」
焦りと怒りを露わにして、額に青筋を浮かべる同期に、冷静に言い放つ。
和中「書いてあるとおりだ……華太の右目は、もう………」
その言葉に須永の兄貴がピクリと反応する。
須永「それぇ………どういうこと、?」
和中「…氷室によると、眼球の細胞が完全に壊されているとの事です。見た目は直せても、中身までは修復は不可能だと」
須永「…じゃあ、もう右目は見えねぇってことか、?」
俺は黙って頷く。
その瞬間、須永の兄貴の殺気が爆発する。
須永「どこのどいつだァ…?華太をこんなにしやがったのはァ……ぶち殺してやらぁ…」
和中「何者かに襲撃を受けたと俺は踏んでいます。調べをつけますので少々お待ちください。永瀬、お前は組に戻って報告しろ」
俺は一旦阿久津のカシラに連絡を入れて、その足で情報屋の元へ向かった。
to be continued…