テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
正規の前後に戻った結果、やっぱり艇の挙動が安定した。
漕がなくても艇が回らない。
重量バランスの差は大きいようだ。
急カーブや激しい瀬もいくつかある。
でも、いい感じにすーっと降りてきた。
後の津々井先輩の艇操作も上手いのだろう。
最小限の動きで姿勢を保っている感じだ。
気分的には本当にあっという間にゴールの橋下まで辿り着いてしまった。
勢いよく岸に乗り上げて、そして艇を降りる。
正直、もっと遊んでいたいくらいだった。
まあ、明日もあるけれど。
「お疲れ様」
小暮先生の声。
すでにマイクロバスは到着していた。
なので、カヌーを下りて取り敢えず河原のところまで引っ張り上げる。
あと、津々井先輩と2人で、女性陣のみの艇も手伝って引っ張り上げた。
「空気を抜くのは一息ついてからでいいですよ。疲れたでしょう」
カヌーを引っ張り上げて、そう言われて、初めて、自分が結構疲れていた事に気づいた。
日焼けもしているし。
今の川下りの興奮状態で気づかなかったようだ。
しかし女性陣は見た目にも疲れている様子。
河原に座り込んでいたり、彩香さんに至っては、河原でべたっとうつ伏せに倒れていたり。
「ああ、日差しが温かいです」
川の水で体温を奪われ、余計に疲れたのだろう。
それで日光で温かくなっている河原の石から、熱を吸収していると。
「着替えも積んでありますから、女性から着替えて下さいな。男性陣はカヤックの空気を抜いた後で」
というので、女性陣が着替えている間に、先生2人と津々井先輩とで空気を抜く。
1人が空気孔を開いた状態で押さえて、もう1人が丸めていく感じ。
ここでも、やっぱり先生2人は手慣れている。
1人1艇ずつなのに、こっちより遙かに作業が早い。
「邪道ですけれど、その辺の割り箸くらいの木の枝を空気孔に斜めに挿して、空気が出る状態に固定するんですよ。本気で空気を抜く時はポンプを使いますけれど、バスで運ぶ分には、その状態で丸める程度で大丈夫です」
僕らが2人で1艇を丸める間に、先生2人で3艇畳んでしまった。
ついでに、パドルも全部分割、脱いだライフジャケットやヘルメットも集めて載せる。
周りの荷物も、載せ忘れが無いか確認。
その後、僕と津々井先輩が着替えて。
マイクロバスに乗ってテントの場所へ。
僕は途中まで景色を見ていたのだけれど。
いつの間にか、意識を失って眠りの中へ……。