「はい」
‘おめでとう、良子’
「ありがとう、お父さん」
‘今日会えなくて残念だよ。今度お祝いしよう。今日は二人でお祝いしたかい?’
「ちょっといつもと違うもの作ってみたけど…仕事あったし普通」
「スペアリブ焼いてくれたのがすげぇうまかったんだ。ご馳走だったよ」
‘良子頑張ってるな。兄として鼻が高い’
‘ほんと、スペアリブなんて家で食べたことないよね?’
忠志くんとチカさんになら、今度リョウの料理を食わせてやってもいいな。
‘良子の方は三岡先生にお願いしたのはわかったけど、颯佑くんの方は誰に頼んだの?’
まだあんただけそこかよ、おばちゃん…
「…ふーっ…」
俺の心がリョウに伝わってしまったかのように、リョウが小さく息を吐いた。
「親」
精一杯抑えたが最短の答えになってしまった…‘おめでとうの一言も娘に言えねぇような親には金輪際会わせない。
リョウが前に進んでるのをイチイチ妨げてんじゃねぇ。
自分が知らなかったのが気に入らないんだろうが、あんたに知らせたら挨拶だの何だの顔合わせんのが面倒なんだよ。
チクチクいらねぇこと言うんじゃねぇ’と心の中に留める…ここで苛ついたら高校時代やその後1年の‘間宮ワル兄弟の弟’に戻ってしまう。
リョウを幸せにするためのプロセスだ。
頑張れ、俺。
‘間宮さんはご存知だったってことね?’
「そうだね。サプライズにしようって言ったのは俺なんだ。ごめんね、気を悪くしないで」
‘…いくら一緒に暮らしていて結婚を決めていたからって…親に内緒って…まあいいわ。何の話かと思って…結婚もしていないのに子どもなんかができたのかと思ってめまいがしそうだったわよ’
カチン…
またいらねぇこと言いやがった。
くそっ…
コメント
2件
お母さんのそんな気持ちがリョウちゃんに伝わっちゃうのが悲しいね😢 サプライズの意味が変わっちゃうよ💦
颯ちゃん!私もカチンだよっ😤 自分が蚊帳の外だったのが気に入らないんだよね、でもおめでとうくらい言ってくれたっていいじゃないの…