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・登場人物は全てオリジナルのキャラクターです(一次創作)
・BL要素を含みますが、やらしい描写は無いです(多分)
・設定などがぶっ飛んでいることがあると思いますが、お見逃しください()
それでもいいという人は、どうぞ↓↓↓
「この世界の人間は皆、施設で0歳から15歳の期間を過ごす。その間に、俺らはたくさんのことを学ぶんだ。そして、そこである程度の成績を収めないと都市に出ることは出来ない。都市での行動の仕方、マナー、ルール…。全ての項目をクリアしないと、あそこから出れないんだ」「クリア出来なかったらどうなるん?」「それは俺には分からない、いや、都市にいる人間は分からない。一度都市に出た人間は、決してあの場所に戻ることは出来ないから、残された人たちがどうなったのか知り得ないんだ」「ふぅん…。街の人間が皆同じように歩いてたのも、そう習ったからなのか?」「あぁ。列から逸れるのは、禁忌を犯すことと同じなんだ。時々‘エラー’を起こす人間がいるが、そいつらは全員政府当局に連れて行かれる」エラーて…。機械かっての。「お前が急に俺のところに来た時はとても焦った。驚いて足を止めてしまったら、俺も政府当局に連れて行かれるからな」「俺が話しかけてもみんな無視したのは、そういう事だったのか〜。それならしょうがねぇな。あっ、そーだ!俺途中でサイレン鳴らしたロボットに追いかけられたんだけど、あいつらが‘政府当局’ってやつなの?」「…いいや、違う。政府当局は人間だ。ロボットじゃない」「じゃああいつらは何なの?」ダクラが顎に手を当てて考える仕草をした。長いこと考えて、答えた。「…知らない」「知らない?知らないなんてことあんの??」「そもそも、そんなものは見たことない」「何それぇ?じゃあ政府当局の人たちがロボット導入したんじゃね?」「そうなのか…?」「いや俺は知らんけども」
…
「つーかさ!お前俺と話してて大丈夫なん?!政府当局来ない?!」「そこは心配ない。個々の部屋は完全なプライベートなんだ」「いやその言葉信用ならんけど?!洗脳施設ではそう習ったかもしれねぇけど、それも嘘かもしんねぇじゃんか!」「意味が分からないぞ!そもそも、洗脳って何なんだよ」「洗脳が何か?うーん…。悪いことを正しいことって教え込ますことかなぁ」「俺が洗脳されてるっていうのか」「うん、施設とかいうワード聞いた時からそう思ったわ」「なぜだ」「いやぁ…さっきも言ったけど、普通人間って皆同じように歩くことなんてないんだわ」「だが俺はそうしろと教わった」「それが洗脳な」「…」「洗脳が完了したらさぁ、そのことは自分では分からないもんなんだよ。それが洗脳の恐ろしさ」「…」「ダクラ?」「…俺は…、決して口には出さなかったが、 ずっと思っていたことがあるんだ」「なに?」「どうやって、どうして、俺はこの世に生まれてきたのか。ずっと疑問だった」「どうやって、なら答えられるけど…どうして、はちょっと哲学的だから俺には無理かなぁ」「なら、どうやって俺は生まれたんだ」「お前には父と母がいるんだよ」「…?」そりゃそうか、施設とか言うくらいだから親とは離されたんだろうなぁ。「まず、父は男。んで、母は女」「そうなのか」「で、その男と女が愛し合って出来るのが子供」
「愛し合うってなんだ?」「まーた難しい質問きたなぁ。んんー、まぁ相手を可愛いかっこいいと思うことだったり、大事にしたい〜って思ったりすることかなぁ」「…そうか、じゃあ────男と男、女と女で愛し合っても、子供は出来るのか?」
「…」「神星大斐?」「フッwwwフルネームで呼ぶなよwww」「ふ、フルネームってなんだ」「長い名前ってことでいいよもう!俺のことは大斐って呼べよな!不意打ちすぎて笑っちまったじゃんか〜」「お、大斐か、分かった…」「…あのな?男同士でも女同士でも、子供はできない」「そうなのか」「…でも…、愛し合うことはできるよ」「愛し合って出来るのが子供なんだろう?なのに男と女じゃないとできないのは不思議だな」「生物学的にちょっとな」
「…なぜ施設にいた先生は、それを教えてくれなかったのだろうか。大切なことのように思うのに」「勝手に子供を作らせないためだろうなぁ」「なぜ作ったらいけないんだ」「端的に言えば、洗脳しそびれるかもしれないから、だな」「…なぜ政府は、俺たちを洗脳するんだ」「反対の意見を許さないから」「反対の意見…?」「お前さ、今俺の話を聞いてどう思った?」「どう思ったとは、どういう意味だ?」「政府がお前らを洗脳してるって聞いて、どう感じた?」「…わから、ない。でも、胸の奥から何かが込み上げてくる…。これも洗脳なのか」「多分そう。お前たちは、政府に感情を殺されてる」「感情?」「こればっかりは、説明しようがないんだがな…。‘胸の奥から何か込み上げてくる’ってのは、‘悲しみ’とか‘怒り’に近い感情だろうな」「感情も、大切なものか?」「うん、大切。とにかく、嫌悪みたいな感情をなくして政府に反逆しないように洗脳するんだよ」「反逆?」「政府の命令とかに背くこと。お前らには反逆するっつー概念もないんだろうなぁ」
でも俺、思うんだよな。いくら人間性を消し去ったって、心の奥底には残ってるはずなんだよ。完璧に消せるわけない…。…てかさぁ!「お前さっき驚いてなかった?!」「驚く?」「ほら、俺が‘この世界と俺のいた世界は似ても似つかない’って話をした時!えっ、って顔してたじゃんか!」「…そうだったか…?俺は分からないが」「絶対してた!驚いてた!」やっぱそう!絶対そう!感情を消し去ることなんかできないもん!だってあれ先天的なものだもん!「感情っていう概念がないだけで、それはちゃんとお前の中に存在してるんだよ!他にもそういうものがあるはずだよ!だからさ…」ガシッとダクラの肩を掴む。「…ちゃんと取り戻そうぜ!人間らしさも!お前らしさも!」何を言ってるんだかさっぱり、みたいな顔をしてるダクラだが、力強く頷いた。