「黄色いチューリップは。」
二次創作,sxfn様,一部BL要素あり
水色のカーネーション 永遠の幸せ。
赤色のサルビア 尊敬。
桃色の桃の花 天下無敵。
紫色のクロッカス 美しい姿。
緑色のシラカンバ いつでもあなたを待ちます。
黄色のチューリップ 望み無き愛,邪悪。
今日も俺は家のベランダで考え事をする。考え事って言ってもしょうもないけど。
黄「疲れたなぁ、」
昔、ないこさんに花の本を読んでもらったことがある。
その本の中で1番心に残った花。黄色いチューリップ。
意味は「望み無き愛。」
それを知ったメンバーは口々に
水「こさめ、きいろのちゅーりっぷきらい!」
とこさめちゃんがひとこと。
赤「他のお花と違ってかっこわるいんだもん!」
なっちゃんがないこさんに飛び乗って言う。
紫「まぁ、確かにかっこよくはない…」
といるま君は顔を顰めて言った。
小さい頃なんだもの。本能のままに。心のままに言葉を発する。
現にメンバーだってこんなこと覚えてなんか居ない。
ただ一人。俺だけが今も引きずっている。
なんだか、黄色のチューリップへ向けた言葉が俺に言ってるんじゃないかと。
「こさめ、みことくんきらい!」
いやッ
「ほかのメンバーと違ってかっこわるいんだもん!」
いやだッ
「まぁ、確かにかっこよくはない…」
やめてッ゙…!
黄「っはぁッはぁッ、」
こんなことが度々ある。こんな俺メンバーにバレたらきっと失望されてしまうだろう。
それがどうも嫌で偽りの仮面をかぶり今日も生きる。頬を何かが伝った。
けどそんなものはどうでもいい。
俺は一生幼少期の思いを引きずって。引きずり回して生きるのだろうか。
それはそれですごくカッコ悪い。どうしてこんなに苦しいのだろう。
どうしてこんなに涙が溢れるのだろう。
段々怖くなってきて身体を抱き抱えるようにして縮こまる。
体に無数の水滴が当たる。凄く痛い。そんな時だった。
暖かくて大きい手が俺の手を取ってくれた。誰かは分からない。
だけどすごく暖かくて安心した。
?「気づいてあげられなくてごめんね」
何者か分からない者に俺は身体を抱き抱えられ意識は途絶えた。
次目覚めた時、俺は暖かいベットの上にいた。
桃「あ、起きた?おはよう」
黄「…ぇ」
桃「ごめん笑ビックリさせちゃったね。」
状況が理解できない。さっき助けてくれたのはらんらんだった?
どうしてここにいるの
水「みことくんッ、…!」
緑「ベランダで意識朦朧としてたって聞いて俺もうッ、…泣」
すちくんが俺に抱きついてきた。すちくんの脈はだいぶ速い。
相当急いで来てくれたのだろう。
赤「とりあえず無事でよかった…」
紫「気づいてやれなくてごめんな?」
やっぱり優しい。
桃「俺の布団だから好きに汚しても良いよ。」
らんらんがそう言って頭を撫でてくれる。
ここはらんらんの家だ。
当たりを見渡す。目に映ったのは
色鮮やかな花達に囲まれた「”黄色いチューリップ”」だった
黄「いやッ…!」
桃視点
がたんッッ!!
近くのテーブルにあったマグカップが倒れる。
みことは酷く震え上がっていた。
桃「どうしたの。」
黄「ひゅッ、黄色いッ、チューリップがッ、…」
緑「黄色いチューリップ…あ!花言葉?」
黄「こくっ、…」
桃「望みない愛…?」
黄「すーッ、はーッ、」
数分してみことは落ち着いた様子で話し始めた。
黄「水色のカーネーションも赤色のサルビアも紫色のクロッカスも桃の花もシラカンバも」
黄「全部素敵な意味合いなんだ。永遠の幸せ、尊敬、美しい姿、とか。」
黄「だけど黄色いチューリップだけ、かっこ悪くて全然素敵じゃないの。」
みことは苦しそうに顔を歪めて語った。
それがどうも見るに堪えないくらい苦しそうで涙が出た。
黄視点
みんなは黙り込んで口を噤んだ。馬鹿みたいだと言われるだろう。
ださいと思われるだろう。俺は段々後悔という気持ちが込み上げてきた
紫「なぁ、みこと?」
黄「ん、なぁに…?笑」
赤「虹の花って知ってるか。」
黄「ううん、知らない笑」
赤「虹の花は6色の花びらを纏った花。花言葉はみんなで1つ。」
桃「今からそれを証明するね!」
桃「俺となつは情熱的な強色仲間だからハグできる!」
そう言ってらんらんはなっちゃんにハグをした後小指を繋ぐ
水「すちくんとこさめは爽やかな寒色仲間だからハグできる!」
そういい、こさめちゃんとすちくんはハグをした後またもや小指を繋ぐ
紫「そしてなつとこさめの色を合わせたら紫。だからハグできます。」
三人は照れくさそうにハグをしてやはり小指を繋いだ
みんな、おれはもう必要ない。と伝えたいのだろうか。
ならもうどこかに消えたい。けど身体が硬直して口が縫われたように開かなくて動けない。
みんなは飛びっきりの笑顔で俺を見つめる。
緑「でも暖色仲間がいないんだよねぇ、」
赤「俺もー、ケチャップだけじゃオムライス作れないんですけどー、」
桃「ここに黄色がなきゃシクフォニじゃないんだけどなぁ、」
確かにすちくんの手もなっちゃんの手も空いている
緑、赤「みこと、みことちゃん。一緒に繋いでくれないかな。」
みんなが俺に手を差し出す。
気づけば俺はみんなの腕の中に飛び込んで泣きじゃくっていた。
あぁ。どうして気づかなかったんだろう。みんなこんなに待ってくれたのに。
その手を自分から振り払って孤立しようとして。みんなを勝手に敵みたいに捕らえて。
このメンバーのお陰で俺は心から素直になれた気がした。
自分に正直になれた気がした。
今も。これからも、ずっとずっーっと大好きな皆。大切な宝物。
𝑒𝑛𝑑
黄色いチューリップの裏花言葉 正直,素直,穏やか
コメント
6件
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!天才すぎません?天才すぎません?(2回目)いやみことちゃんの病み系まじで好物なんすよ?分かります?いや、まじでよきよきのよきです、!
え黄色のちゅーりっぷの花言葉が天才すぎる..!! メンバーのみんなも気付いてくれるの優しい 🫶🏻(
初コメ失礼します 凄い好みだし素敵な話すぎる… 最高…( ´ཫ` )