ダッダッダッ
廊下から足音が聞こえてきた。
ガラッ
「おいハック!!友達じゃないってどういう事だ!?」
案の定駆けつけてきたサブロー
キーボードを打ち終えてサブローの方をむく
「そのまんまっすよ」
「僕達、共に戦った戦友ではないか……」
衝撃を受けるサブローに
ハックはお構い無しに続ける。
「大体いつから友達って言ったっすか?」
「それに」
その言葉を聞いて何も言えなくなってしまった
サブローは悲しみをこらえて、そうか、と軽く言い
部室を出ていった。
ハックはその後ろ姿を止めなかった。
そして再びキーボードを打ち始める
少し、言いすぎたっすかね。
そう思いつつもパソコンを打っていた。
「僕は厨二病じゃない!」
「ふっ、戦友だと信じていた友の裏切りか」
崖に座り、一人で呟いていた。
決して悲しさを紛らわすためではない。
「ほんと…最高の展開だな」
ポタッ…ポタ…
「うっ…うぅ……」
涙が次々に流れていく。
やはり苦しさに耐えきれなかったのか
声に出して泣いてしまった。
「僕の…唯一の友達だと思ってたのに……」
サブローがハックと出会ったのは数ヶ月前の話。
授業前に一人で本を読んでいた時のことだ。
1人でまじまじと読んでいると隣に
彼がやってきたのだ。
「隣失礼しますっす」
「あ、嗚呼」
綺麗な横顔だな、と思いつつも
本を再び読み始めた。
すると彼は本を見て話しかけてきた。
「それ!」
「オカルトリックじゃないっすか!」
「し、知ってるのか?」
自分の読んでいた本を知っていたことに驚き
思わず彼に聞き返してしまった。
「俺その本大好きなんすよ!」
「しかも幻の0巻…いいなぁ……」
羨ましそうに見ている彼に
サブローは一言声をかけた。
「…この僕が貸してあげよう!」
「え!?いいんすか!?」
「ありがとうございますっす!」
彼の笑顔に思わずドキッとしてしまったのは
置いといて
サブローも釣られて笑顔になった。
「名前は?」
「ハックっす!」
「ハックか…いい名だな」
「僕の名はレクイエム、鎮魂歌とかいてレクイエムだ」
「…?」
サブローの厨二病発言に彼は頭に
クエスチョンマークを浮かべていた。
「や、やっぱ長いからサブローでいいぞ」
「じゃあサブローくん、よろしくお願いしますっす!」
「あぁ!」
サブローは初めて友達が出来たような気がして
とても嬉しかった。
そこからハックと話すようになり
自⃠然⃠に⃠友⃠達⃠に⃠な⃠っ⃠て⃠い⃠っ⃠た⃠
彼ともっと仲良くなりたい、もっと分かり合いたい
そう思っていたのは僕だけだった。
彼の態度が急激に変わったのに
僕は違和感を覚えなかった
「はぁ…」
「何ため息ついてんだおまえ」
大きくため息をついていると
隣にタブーが座っていた。
思わずビックリして、思いっきり立ち上がり転けて崖から滑り落ちてしまった。
「ギャパパ!!だっせー!!ww」
「笑うな!!!!」
しばらくして笑いがおさまった後、タブーが手を伸ばして助けてくれた。
「なんか元気ねえな」
「僕はいつでも元気だ。仲間の力を貰っているからな」
「……実はハックに友達じゃないと言われてな」
「なんだ、いつもの事じゃねーか」
タブーはポケットからでてきたチョコを食べながら
そう言った。
「…僕みたいなの友達だと思いたくない、って」
ゴクリ
タブーが食べていたチョコをごくりと飲み込んだ。
悲しそうにしているサブローの頭を
軽く撫でてあげた。
すると行動に驚いたのか、サブローは何も喋らなかった。
「あいつが友達だと思ってなくても」
「お前がハックの事友達って思ってんなら
これからもそう接してけばいいんじゃねぇか?」
タブーのその一言にサブローは頷いた。
「…じゃあ僕がお前の事友達だと思ってもいいのか?」
「ギャパパ、さっき自分で友達って言ってたじゃねーか」
「まぁ、俺様は別にいいけどな」
「お前の事そこまで嫌いじゃねーし」
「それに、お前の邪眼に興味があるからな!!」
「ひっ…くり抜くなよ…??」
タブーの発言に少しビビった。
お互いに笑い合い、立ち上がった。
「ギャパパ!元気だせよ!」
「あぁ、ありがとう!」
夕日が出てきた時、暖かい風がふいてきた。
もうすぐで門限に気づいたのかサブローは
スマホを片手に帰り道に反って帰って行った。
次の日
「げっ」
「なんすかサブローくん、昨日言ったこと根に持ってるんすか?」
サブローは部室の前でハックを待ち伏せしていた。
「ハック!お前が僕のことを戦友だと思ってなくても
僕はお前のこと戦友だと思ってるからな!!」
「は…?」
「それだけだからな!!」
それだけ言ってサブローは走り去っていった。
昨日みたいな悲しい顔ではない
笑顔で
「なんなんすか…?」
ハックはサブローの行動に少しドキッとしていた。
コメント
5件
最後のハックがドキッとする部分泣いた😭泣く部分違うかもしんないけど💦
タブーさん優しいな、ズビッはぁ〜ティッシュもう1箱開けよ!