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ろのみ🩵🫧
43
#愛され
おうか
252
え……何かまずかったかな?
「すごい、久しぶりに好きになれた人なんだ。その……あれ以来ずっと恋愛恋愛出来なくて」
「あれ……って? 」
「梓。別れてから色々引きずってしまって、あれ以来誰とも付き合っていないんだ」
「え、うそ……」
冗談でしょ?そう言いかけたけど吉良くんの顔に嘘はなくまだ傷が残ったような笑みを浮かべた。
「うん。何でだろ……俺が悪かったのかな、とか。ちゃんと消化できないまま終わったから」
「そ……っか」
何年?……3年は断ってる。モテてモテて仕方がない人があれ以来恋愛をしていないなんて。この人がその気にならなくても周りがほうっておいてはくれないだろう。それなのに……。梓は恋愛相手として華やかなタイプでは無かった。吉良くんとは『不釣り合い』何度その言葉を周りから投げかけられただろうか。何度梓の口からも聞いただろうか。
じわ、と涙が滲んだ。
「え、いやいや。何で泣くんだよ」
「わからない。ごめん、吉良くんがが苦しんでるのにこんなこと言っていいのかわからないけど……良かったなって思ってしまって」
「良かった、って? 」
「吉良くん、ちゃんと梓のこと好きだったんだなって」
「は? 」
穏やかな人の眉間に皺が寄り、あからさまに苛立った顔になった。気持ちを疑われることすら許せないほど、好きだったってこと。そう思うとまたじんわりと涙が滲んでしまった。
ほらね、梓。大丈夫だって言ったでしょう。吉良くんはちゃんと梓のこと好きだったんだよ。3年も引きずるほど。
「梓も、まだ引きずっていて、二人とも。ちゃんと好きだったのに……バカだなぁ、梓」
吉良くんが眉を下げて私にハンカチを差し出した。
「疑われるようなことはしてないつもりだけど……」
「うん。吉良くんは悪くないよ。しいて言うとかっこよすぎるのが悪い」
私がそう言うと、吉良くんはふっと吹き出した。
「なんだそれ」
「吉良くんモテるでしょ。だから、梓は周りから色々言われてたの、知ってる? 」
「あー……まぁ。けど、周りは関係ないだろう、俺たち二人がちゃんとお互いを想っていたなら」
「うん。そうなんだけどね、ただでさえ自分に自信がない子が高嶺の花みたいな人と付き合うことになったらどうなると思う? いつもは気にしない雑音が妙に効いちゃったりするんだよ。吉良くんじゃなくて、梓側の問題。勝手に疑心暗鬼になって不安になって……自滅しちゃうんだろうね」
吉良くんはハッとして大きなため息を吐くと乱雑に髪をかき上げた。
「俺たちが駄目になった理由ってそれ? 」
「うん」
私が頷くと吉良くんはもう一度大きなため息を吐いた。
「梓って連絡先変わってる? 」
「ううん、変わってない」
「そっか。ありがと、湊」
お礼を言われてゆるく首を振った。
帰り道、「俺、ブロックされてないよな」と吉良くんは笑った。
「されてないよ」
梓は吉良くんから連絡なんてあるはずがない。そう思っているはずだから絶対にブロックなんてしていない自信があった。
二人がこれ以上立ち止まることがないように、そのきっかけになればいいのになって思う。
だって、誤解ですれ違ってずっと苦しんできたんだから。
ふふ、このまま二人、焼けぼっくいに火が付くなんてことになったりして。
「……あ、でも吉良くん久しぶりに恋をしているんだっけ。梓大丈夫かな。でも……このままじゃどのみち前に進めない」
大丈夫、梓はああ見えてかっこいいんだから。
私を庇って声をあげてくれたことを思い出して微笑んだ。
ほんの少し胸がチクンと痛んだ。羨ましいな……私も想われてみたい。梓や吉良くんを見ていると、本物の愛は在るところにはあるのだな。
そう、思った。
その愛が……私の所には無いだけで。いつか、自然に出逢えるのだろうか。
本物の優しさと……愛に。
コメント
1件
梓ちゃんと吉良くんのすれ違いエピソード、切なすぎる😭✨ でも湊ちゃんが「ちゃんと好きだったんだな」って気づくシーンで私も涙腺崩壊した…! 誤解が解けてよかったけど、湊ちゃん自身の「想われてみたい」って一言がめっちゃ刺さる。次、二人に進展あるのかな? 連絡先変わってないって知ってドキドキしたよ!