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気付いた時には、もう好きだった。
『契約恋人』を持ち掛けられた時は欠片もなかった気持ちが、佐久間くんと過ごすうちに生まれてどんどん大きく育っていったんだ。
だって佐久間くんは優しいから。
俺が疲れてる時は甘やかしてくれて。佐久間くん疲れてるな甘やかしたいなって時には、俺の気持ちを察して甘えてくれる。
他にも恋人とこんなことしてみたい、あんなことしてみたい。他の人とは出来なかったそんな願望を、佐久間くんは全部受け入れてくれた。
恋人の全身を丁寧に洗ってみたいなとか。俺の作ったご飯、あーんで食べさせてみたいなとか。他の人だったら笑ってバカにしてきてもおかしくない、そんなべたべたなお願いも佐久間くんとなら出来た。
もちろんそれは『契約恋人』だから受け入れてくれてるんだって分かってた。それでも佐久間くんに恋をしてしまったのは、それを全部幸せそうに受け止めてくれたから。
俺といる時はいつだってふわふわと幸せそうに笑ってくれたから、本当の恋人のような錯覚を何度もした。
同時に本物の恋人になれる相手が羨ましくなる。恋人だとそんな幸せそうな、甘やかな笑顔を見せてくれるんだ。
佐久間くんの全てが可愛くて堪らなくて。甘えさせてくれる時も、甘えてくれる時も、キスの時もセックスの時も、ただ笑いあっているだけの時でさえ。
育った気持ちはもう殺せないって、強くそう思った。
ねえ、佐久間くん。俺、こんなに佐久間くんのこと好きになっちゃった。
佐久間くんは? どうしてそんなに幸せそうに笑ってくれてるの? 俺といて幸せって思ってくれてるって、自惚れちゃうよ。
想いが募るにつれて、偽物でもいいからずっとずっとこのままでいたい気持ちとこのままじゃよくないという気持ちがせめぎ合った。
でもある日、ふと思った。
俺がどれだけ幸せだったとしても、佐久間くんが感じてるのが偽の幸せじゃ何の意味もないんだって。
こんなに大好きで愛しい人なら、幸せになって欲しい。例えそれで、俺と離れる結果になったとしても。
だから、契約解除を申し出ることにした。
珍しく2人のオフが重なったから、前の晩から来てもらって一緒に過ごそうって思った。
きっとこれが、恋人として過ごす最後になるだろうから。
セックスはいつもの何倍も丁寧にしつこくしてしまった。その上何度も求めてしまったから、最後には佐久間くんは気絶するように眠ってた。お風呂に入れても気付かないくらいだから、相当疲れさせちゃったと思う。
目が覚めたらきっと、身体中に付いた痕にびっくりするだろうな。せめてその痕が消えるまでの間だけは、俺のものって思わせて欲しい。
ここからようやくめめのターン
コメント
6件
今までの関係のカタチが変わる瞬間ってドキドキしますね(,,•﹏•,,) めめ側から読めるのも嬉しい!! もう一度始めから読みたくなって、一話目に戻っちゃった( *´艸) そして思う…やっぱり水瀬さんの世界、大好き💕


契約恋人→本物の恋人良かったですー✨ しかも前回からの盛り上がりからめめの心の動きがすごいがすごい心臓抉られるー✨ もうこちらの心臓がもつかどうか…。 最後まで生き延びてみせます!