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その日、私達はドレスとタキシードを揃える為に、王都サルベアにメゾドリックさんに乗って向かった。
馬車では、大きな山を迂回して行く為、2日間かかる道のりを、メゾドリックさんは1時間ほどで飛んだ。
「あっ、王都が見えて来ましたわ!」
私が言い、隣で寝転んでいるゼルゼディス様を揺すった。
「あと2…時間…寝かせてくだ…さ…い…。」
ゼルゼディス様の寝起きは意外と悪いらしい。
「あら、起きたらキスしてさしあげようかと。」
ガバッ!
「誰ですか?
2時間も寝るなんて言ったアホウは?」
飛び起きたゼルゼディス様に私は苦笑いをせざるを得ない。
私はゼルゼディス様の頬に唇を寄せ…
た所で、彼は振り向き、私の唇を捕えた。
しかも、いつの間にか、身体を引き寄せられている。
ガッチリと…
長いキスを終え…
「もうっ、エロ魔導士…!」
「訂正してください。
腹黒エロ魔導士です。ニッコリ」
ゼルゼディス様は満足気に笑った。
その笑顔は妖艶であり、美しくもあった。
うーん…
外見が良いと得である…
すると、相変わらずメゾドリックさんが…
『てめーら、俺様の神聖な背中で…!』
「いいから前見て飛んでください。」
しれっと答えるゼルゼディス様。
そうして、王都サルベアに到着し、私達はフォーマルドレス店に向かった。
タキシードも置いてあるはずだ。
「ねぇ、エシャロット?」
「なぁに?」
「せっかくだから、化粧品やヘアオイルも買いましょうよ。
いや、私と結婚してから苦労ばかりで…
それが嫌なんです…
私のせいで…」
「私は…
艶のない髪も、荒れた肌も、マメのできた手も、すべて幸せの証だと思ってますわ。
だって、苦労なんてしてませんもの。
ゼルゼディス様は私と居て幸せじゃ無いんですの?」
「いえ、それはもちろん幸せですけど…!」
「でも、せっかくだから買ってみますわ。
ご友人のディオクレイヤ様に素敵な奥様だと自慢したいですものね!」
私は言う。
「ディオクレイヤはあなたの真の美しさをすぐに見抜くでしょうよ。
だから、そんな心配は無用ですけど、せっかくだから買っていきましょう!」
という訳で、1番高いドレスにタキシードに化粧品、ヘアオイル、などなど揃えて、すっかり卵焼き店とカレー店の稼ぎが飛んでしまった。
「たまには良いものですね。
贅沢も。」
普段貧乏性の旦那様が呟く。
「そうですわね!
楽しみですわ。
ディオクレイヤ様にお会いするのが!」
「うーん…
悪友ですが、良い奴ですよ。」
そうして、私達は辺境の領地へメゾドリックさんに乗り飛んで帰ったのだった。