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sideディオクレイヤ
その日、メゾドリックに乗ったゼルゼディスと奥方が俺の屋敷にやって来た。
ゼルゼディスはいつも貧相な格好を好んでいたが、この日は髪を切り揃え、清潔感のある白シャツに茶色に金糸の刺繍の入ったベストに、それから黒のピシッとしたズボンを履いてた。
隣に居る奥方は、ハニーゴールドの瞳と髪が印象的な美しい女性だった。
しかし、それ以上に彼女のオーラは澄んでいた(オーラは誰にでもある)
ふむ。
ゼルゼディスはやはり見る目があるようだ。
そして、ゼルゼディスの彼女を見る目はもう恥ずかしいからやめろ、と言ってやりたくなるほど愛おしそうだった。
「俺はディオクレイヤです。
こっちは妻のマリアーヌ。」
身長150cmほどのマリアーヌが俺の後ろからちょこんと顔を出すと、挨拶した。
「マリアーヌでございますっ!
まぁ、なんて美しい方っ!
ゼルゼディス様は果報者ですねっ!
よろしくっ!ですわ!」
勢いよく言うマリアーヌに俺は落ち着けと言わんばかりに肩に手を置いた。
「エシャロットと申します。
こちらこそ、よろしくお願いしますわ。」
エシャロットはマリアーヌに動じる事もなくにこやかに挨拶した。
「私達の部屋はあるんでしょうね?」
「あぁ、大部分は客で埋まるが、一部屋空いている。」
俺は言う。
しかし、ゼルゼディスは眉を顰めた。
「一部屋って…」
「なんだ?
問題無いだろう?」
俺にはよくわからなかった。
ゼルゼディスは手が早い。
だからてっきり…
「え、じゃあ…」
俺は察して言う。
「それ以上は言わないで下さい。
一部屋で構いませんよ…」
ゼルゼディスは俺に弱みを掴まれたかのように嫌そうな顔でそう言った。
「マリアーヌはエシャロットを部屋に案内してくれ。
荷物は使用人に。
俺はゼルゼディスと少し話がある。」
俺は言う。
「私には話なんてありませんけどね。」
「良いからたまには無駄話でもしようじゃないか!
結婚式に呼ばれなかったしな!」
俺は再度そう言った。
「ねちっこい男は嫌われますよ?」
ゼルゼディスが言う。
そうして、まだ埋まっていないゲストルームにゼルゼディスを通した。
使用人がコーヒーとナッツを運んでくる。
「エシャロットは良い娘じゃないか。
お前の腹黒を知っているのか?」
「ほとんど全て話しています。
魔導三神である事はまだ知りませんが…」
「そうか。
大丈夫だ、マリアーヌには余計な事は喋るなと釘を刺したから。」
俺はコーヒーに口をつける。
「で、話って何なんです?」
ゼルゼディスが切り出した。