テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
どうぞ。
ホームルーム。
「文化祭の実行委員、決めるぞ」
先生がそう言うと、教室がざわつく。
「誰やるー?」
「めんどいな」
しばらく静かになる。
その時。
「俺やります」
手を上げたのは——勇斗。
クラスが少し驚く。
「珍しいじゃん」
友達が笑う。
勇斗は肩をすくめる。
「たまにはいいだろ」
先生が頷く。
「じゃあもう一人」
教室がまた静かになる。
その時。
「……やります」
小さく手が上がる。
仁人。
勇斗が思わず振り向く。
仁人も少し驚いた顔。
先生が言う。
「よし、勇斗と仁人な」
こうして。
二人は文化祭実行委員になった。
放課後。
教室にはまだ数人残っている。
勇斗はプリントを見ながら言う。
「やること多くね?」
仁人が頷く。
「思ったより多い」
机に並んで座っている。
少しだけ静かな空気。
勇斗がふと聞く。
「なんでやろうと思ったの?」
仁人は少し考える。
「……なんとなく」
本当は。
勇斗がやると言ったから。
でもそんなこと言えない。
勇斗は笑う。
「俺もそんな感じ」
二人でプリントを見る。
距離が近い。
仁人がペンを落とす。
「…あ」
勇斗が同時に拾う。
手が触れる。
一瞬。
時間が止まる。
二人同時に手を引っ込める。
「ごめん」
「いや」
少し気まずい。
でも。
勇斗はふと思う。
「……やっぱ仁人、いいやつだな」
仁人も思っていた。
「……勇斗といると楽しい」
でも二人とも。
まだ気づいていない。
この気持ちが何なのか。
ED
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
5