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“希望”
ソレを見出す方法、やり方を、
僕は今までずっと、ずっと考えてたんだ
教室でも、トイレでも、浴槽でも、
いつでもどこでも生きる希望そのものを
でも、あの春の午後、あの日から
ソレが少しずつ分かってきた気がする
晴れ切ったオレンジの空から降ってきた
謎と言うに相応しい 黒く小さな球体
それが、僕の脳天をかち割った
空のどこから来たのかわからない
宇宙か、はたまた更に遠くのどこかか
要するに、そんな得体の知れない何かが
遠慮もなく僕の頭にのめり込んで来る
脳を直接鷲掴みされるような感覚
それが2分ほど続いて、止む
その時だった。
なぜだかわからないけど、
最強になれた気がした
神様が僕を選んだんだって
自信、感謝、欲求、興奮
全てが僕の汗腺を通って汗として流れる
冷や汗にも近しいそれを、
初めて心地よく感じた
川沿いの土手
コンクリートの階段に座った青年がいた
青年は色白で端正な顔付きをしており、
特徴的なアンダーリムの眼鏡をしていた
名 を【藤山トキヤ】(ふじやま ときや)
町でも噂の、 いじめられっ子
早くも蒸し暑くなってきた6月のはじめ
青年はただ、遠くの街並みを眺めていた
そこへ、1人の金髪の青年が
自転車を押しながら歩いて来る
「……お前、藤山?」
金髪の青年が呟く
トキヤは振り向かずに言う
「そうだけど、だれ?」
金髪の青年はため息まじりに返す
「こっち見ろや……中谷カズキだよ」
【中谷カズキ】(なかたに かずき)
金髪のストレートヘアに、
赤く光る赤眼を持った”一匹狼”
顔には無数の絆創膏が貼られている
相当なヤンチャだ
振り向いたトキヤは、眉を寄せて言う
「カズキ…良い噂は聞かないけど、なに?」
カズキは無表情のまま、
階段に座るトキヤの後頭部を見つめ
「お前、先輩達殺したんだって?」
土手に生えた草が風になびかれ、
空を舞って遥か彼方へ飛んでゆく
トキヤは初めて振り返る
その顔は特に動揺も何もしていない
そして当たり前かの如く、軽く頷く
「いじめられたから、殺した」
「ハッ……100倍返しってか」
軽く笑い飛ばしたカズキは、
自転車を適当に止めてカズキの元へ歩く
隣に座り、同じく遠くの街並みを眺め
トキヤはゆっくりと口を開く
「お前、宇宙人って信じる?」
「そりゃあロマンでしょ…信じるよ」
「……今、行進中なんだと、地球に」
「はっ?」
カズキはトキヤを横目に見ながら、
どこか真剣な顔つきで続ける
「最近、世界各地に妙な黒い玉が降ってきてるらしい」
「く、黒い玉……?それって……」
身に覚えがありすぎた
「やっぱか…お前、”侵入”されただろ」
カズキの差した指は、トキヤへと向いていた
“宇宙人の進行” それが何を意味するか
トキヤはまだ知らなかった
まだ
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