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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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今日は月曜日の買い出し。スーパーで星野さんと待ち合わせして、おしゃべりしながら買い物してる。
「なんかねえ、時代とともに常識が変わっちゃうから困るのよ」
星野さんはブロッコリーを片手にため息を付いた。
『セクハラしちゃいけないとか?』
「それだけじゃなくて、子育ての常識なんかもねえ……一歳になるまで蜂蜜ダメなんて、孫ができてから初めて知ったわ」
『えっそうなのか!?』
それは初めて知った!
「ボツリヌス菌っていうのが赤ちゃんによくないらしいの。あとは……」
星野さんは少し考えて言った。
「旦那が救命講習受けてきたんだけど、今は、心肺停止してる人にはとにかく心臓マッサージで、人工呼吸がどうしても無理なら心臓マッサージ優先なんだって」
『えっなんで?』
いくら心臓動かしても、息しなきゃ死んじゃわないか?
「なんかね、心臓マッサージで胸押す動作だけで、多少肺の空気入れ替わるらしいのよ。だから、人工呼吸無理なら心臓マッサージをとにかく続けるんだって」
『へえー』
心臓マッサージしてれば、多少息もしてることになるのかあ。
『ワシ、なるべく人助けしなきゃいけないから、何かあった時用に今のちゃんと覚えとく』
星野さんにはワシのことを大体話してて、ワシが和御魂、つまりいい神様にならなきゃいけないから人助けをしなきゃいけないってことも言ってる。
「いい心がけだわ。心臓マッサージは、うさぎとかめの歌のリズムでするといいんだって」
『もしもし亀よ、亀さんよ、の歌?』
「そうそう。あと、心臓マッサージ30回したあとに気道確保はしとかないとダメなんだって」
『そっか、喉詰まってたら息吸えないもんな』
「あと、無理じゃないなら人工呼吸もするのよ、他に人がいるなら分担するとか」
『うん、わかった』
ワシはこの時、1ヶ月先に泣きながら和泉の心臓マッサージをするなんて、全然思わなかった。
コメント
1件
いやあ、今回の番外編、めっちゃ良かったです。日常の買い物シーンから「時代とともに変わる常識」が自然に飛び出してくる構成がまず巧い。しかも単なる豆知識で終わらせず、最後の一文で「あっ、これ後で効いてくるやつだ」と読者に予感させる伏線の置き方、痺れました。心臓マッサージ30回→気道確保→人工呼吸可能なら、という流れが具体的で、しかも「うさぎとかめ」のリズムって覚えやすくて親切。星野さんとの会話の温度感も、千歳が「和御魂」としての自覚を持ちながらも軽やかで、二人の関係性がよく出てました。477話まで積み重ねたからの信頼感、ひしひし感じます。