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2. ◇可哀想な人


 随分昔のことになるのだが、実家に帰った折に母から聞いた話は、

こんな風だった。


『すぐ近所のどこそこの娘さんが離婚して出戻ってきてるそうだけど、元旦那が

DV野郎でその上子供ふたりも取りあげられてしまって気の毒なのよ。


 時々元旦那DV野郎、今でも時々酔っ払っては娘さんに会いに

押しかけてきて暴れるらしいのよ。


あそこのお宅は一人娘で男の兄弟がいなくて年老いた老夫婦だけでしょ……

だからDV野郎に怯えて暮らさなきゃならなくて大変みたい。

離婚の原因は女ではなかったみたいね。借金とDVみたいなのよ』


 母が話していた内容をここまでツラツラと思い出して

つい私は離婚原因に反応してしまった。


 そっか、女とDVどっちの事由がつらいかな……なんて

考えてしまった。


 比べられるような問題じゃないわな……私の出した結論。


 その件のご近所も近所、道ひとつ挟んで我が家の玄関から

向かって左斜め3件目の娘さん、スリムでかなりのべっぴん

さんなのだった。




 普通あんなに美人で、おしとやかという2つの素敵な要素を兼ね備えた女性を

妻に娶りながら(おいっ、DV男奇跡なんだぞっ、それって)大事にするんじゃなくて

真逆な行為であるDVするとな? 



 バッカじゃないの。

 母から聞いたことのある話を思い出し、そうひとりごちる私。


 インパクトが強く、そういう話があったということは

覚えているのだが、其れに対して自分がどんな風に捉えて

いたのかは明確ではなく、母から聞いた当時もそう思って

いたのかどうか、当時の気持ちは忘却の彼方へ行ってしまっ

てて全く思い出せない。


 それは――――

 気の毒だとは思っていても、あくまでも人事だったからだろう。



 まっいっか、とその女性のことを可哀想なひと

締めくくろうとしたのに、ついついその後の娘さんの続きの話を

思い出してしまった。イケナイ!



 ここまでは、可憐でやさしくて綺麗なのに男運がなくて可哀想な娘さん

だったんだけど……。



 そういえば、確か母から聞いた彼女の話には、まだ続きがあったのだった。








👑『 天からの贈りもの 』 新しい愛を見つけ私たちを捨てて意気揚々と家を出ていった元夫が やり直し

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