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東京から3時間、山や川、田畑に囲まれた静かで小さな村。そんな村に威勢の良い声が響き渡る。
「じぃちゃん、川で遊んでくる」
「3時には家に帰るからそれまでにはもどってこいよ」
ここは都会から外れた小さな村の郷土資料館。1人の老人とその孫が今日は当番の日だった。
「じぃちゃんお客さんだょ」奥の座敷にいる老人に孫が大きな声でそう伝える。
「お客さんなんてくるわけないだろ」奥の座敷から老人が孫にそう言い返した。
「館長さんお忙しいところ、すみません。この辺りの郷土について取材にまいりました。」
資料館の入り口に4人の大人の姿見があった。老人は重い腰を起こし彼らの元にゆっくりと歩いていく。
孫が老人の元に向かい、前掛けにしがみいた。そして上目遣いで老人の対応を待つ。
「あんたらこんな村の小さな資料館になんの取材にいらした」
痩せ型の乱れ髪の男が話をきりだす。「私、大学で教授をしておりまして、今回ゼミの生徒を連れてこの辺りの郷土の聞き込みにまいりました。少しご協力いただけませんか?」
「特に面白いことはないがまぁ良いだろう、座敷で話そう。」
ジレンマ、修羅、誠、凛子は大学のご一行になりすまし、廃村近くの村に調査に来ていた。
老人は平田さんといい、孫は貞治くんと自己紹介を受けた。
平田さんからは、この村の慣わしや郷土料理、歴史など世間話を織り交ぜながら小一時間話をした。外部の人が久しぶりだったのか平田さんも貞治くんも楽しそうに会話する。
「あのこの辺りの信仰はどのようなものでしょうか?」さりげなくジレンマは本題に入っていく。
すると平田さんの顔が曇りだした。
「貞治少し川で遊んできなさい」
「えぇ、ここにいたいよ」
「この人たちに鮎を振る舞うためだ、罠を見てきなさい」
貞治くんは渋々川に向かっていった。
「この辺りは特に決まった信仰はない、神社や寺はあるが皆自由に信仰しておる」平田さんは絞り出すようにそう答えた。
「昔の新聞で、この辺りの山の集落の記事をみました。平田さんその集落の事はご存知ですか?」ジレンマはお茶を啜りながら話を進めた。
「あんたら、何が知りたい、何のためにここにきた?」
「廃村にあった井戸の件だってはっきりいえよ」痺れを切らした凛子が声を張り上げた。
「井戸だと!あんたらあの井戸にいったのか?」目を見開き平田さんは声を荒げた。
「平田さん、貞治くんの件でお悩みですよね?」修羅が意味のわからない質問をする。
「銀髪の青年、君は見えるのか?」
修羅と平田さんの意味深の会話を3人は口を開けたまま聞き入るのであった。