TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

散って舞う

一覧ページ

「散って舞う」のメインビジュアル

散って舞う

20 - ソメイー幻覚の話し2ー

♥

218

2024年06月16日

シェアするシェアする
報告する

「はいっ!目開けていいよ」

ソメイからそう声をかけられまた横並びで一緒に歩き出した。

そして「どこまで話したっけ?」と少し頭を抱えた後ハッと思い出し、また幻覚の話しに戻った。


「ほとんどの人はそうやって川を舟で渡っていくんだけどねたま〜に例外が出てくるんだ」

「例外…?」

「そう!例外にも2パターンあってね1つ目なんだけど…」

「サクラ!幻覚ってそもそもなんなのか分かる?」

と小難しい質問をされ分かるはずも無く適当に


「え〜…そうだな…想像した物!みたいな?」

と答えてみる。するとソメイはこう言った。


「ん〜?半分正解?」

「え!当たってるの!?」

「半分だよ? 」

「まぁ…そっか」


「幻覚は人の思い込みなんだよ。こう言うのがある!見える!って思えば思うほどハッキリ見える物なんだ」

「でも思い込みにも得意不得意あるでしょ?」

「それで、もし寿命で死んじゃったなら意を決して川に入る事が多いんだけど…


交通事故とか綺麗な体じゃない人が思い込め無かったら“綺麗な体にならなくちゃ!”って人間界とかアマガイに迷い込んで来ちゃうんだよね…」

「つまり…幽霊…?」

「そう言うことだね」

そこまで聞いて、そう言えば森の幽霊に会った時に何か変わった事を言ってなかったっけ?と思ったがそれ以外の音の印象が強くよく覚えていない。


「後、もう1つの例外は死んで無い人間」

「死んで無い?」

「そう!う〜んと…なんて言えば良いんだろうな…まぁ話しだけ聞いて欲しいんだけど」


「死に際の…生死をさまよってる人?が居るんだ」

「ふ〜ん。その人達はどうなるの?」

「その人達はさっき説明した人たちと色々違うんだけど…」


「その人達は下流。川の下から川の流れに反する様に登ってくるんだ。」

「えぇ…そんな事あるの?」

「あるある。それにそれだけじゃないんだ。」

「へ?」

「その人達はね川に居る時意識があって必ずなにか喋ってるんだよね」

色々と有り得ない様な事を言われ首を傾げる。

川に反して登ってく?意識がある?さっき言ってた人達と真逆な事を言われ頭を抱える。

ソメイはそんなこ事もお構い無しに話しを続ける。


「喋る内容は人にもよるんだけど『助けて』とか『怖い』とか大切な人の名前を呼んでたり…色々だよ。

これはあくまでも噂なんだけどその時に言っている言葉はそこにくる時に。生きている時に“強く願った事”って言われてたりするんだ。

で、自分達はそんな人達を川から出してあげたりするよ」

「出した後ってどうするの?」

「出した後はね〜人によってはしばらく目を覚まさなかったり、そもそも意識がどこかに行く事も無い人も居るからそれによるんだけど…


意識を飛ばさなかったらその人がなんて言うかにもよるけど、大切な人を追いかけて三途の川に入る人も居るよ?」

「その人達って舟見えてるの?」

「いや?生きてる時にやる自殺に近い物だから、危険だと分かっててやるんだよ」

あぁ。聞かなきゃ良かった。そう少し後悔したが思っていたより動揺していない自分に驚く。

8歳なのに…いや、8歳…今は何歳だ?

そんな気持ちが私の頭の中にぐるぐると回る。


「大丈夫?別の話しするよ…ごめんね。結構重い話しして。」

と申し訳なさそうに眉毛を八の字にしたソメイが言い苦笑いをしながら


「そうだね…ちょっとびっくりしちゃったし 別の話ししよっか」

そう言うとソメイはコクリと頷いて


「じゃあ、自分達…シダレもヤエも思ってる贈り物の花の話しでもしよっか!」

この作品はいかがでしたか?

218

コメント

4

ユーザー

そういえばサクラちゃん真冬に逃げ出したんだよね……? 大丈夫かサクラちゃん!?

ユーザー

ぉゎゎゎゎ………どんどん真相に近づいてるよ…… 続きを全身黒タイツ待機しとくね

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚