テラーノベル
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翌日。
朝からバラエティ番組の収録だった。
セットチェンジの時間も多く、楽屋で過ごす時間が長い一日。
いつもなら、そんな日は深澤が照の隣へ来る。
それが二人にとって当たり前だった。
だけど今日は違った。
────────
💜side
「……。」
どうしよう。
昨日の”考えすぎ”という一言が、ずっと頭から離れない。
照は怒っているわけじゃない。
それは分かる。
でも、明らかに何かを隠している。
(俺、そんなに鈍感だったかな)
昔から照のことなら誰より分かると思っていた。
機嫌がいい日。
疲れてる日。
眠い日。
全部表情で分かった。
なのに今回は分からない。
こんなに近くにいるのに。
何も分からない。
💜「……はぁ」
💙「ため息つくと幸せ逃げるぞ」
横から翔太が缶コーヒーを渡してきた。
💜「ありがと」
💙「まだ引きずってんの?」
💜「まぁね」
缶を開けながら苦笑する。
💜「照ってさ」
💜「あんな風に何も言わなくなる人だったっけ」
💙「……」
翔太は少し考える。
そして照をちらっと見る。
楽屋の端。
スタッフと真面目に打ち合わせをしている。
💙「あいつさ」
💙「昔から一人で抱え込むタイプだから」
💜「知ってる」
💙「だから待ってやれ」
💜「でも」
💙「追いかけると余計逃げる」
その言葉は妙に説得力があった。
長年付き合ってきた翔太だからこそ分かること。
ふっかは小さく頷いた。
────────
💛side
深澤が翔太と話している。
笑ってる。
その笑顔を見るだけで安心する。
……なのに。
(隣にいるの俺じゃない)
そんなことばかり考えてしまう。
💛「……」
「岩本さん」
スタッフに呼ばれ資料を受け取る。
内容は次の企画説明。
読んでいるはずなのに、一文字も頭へ入ってこない。
❤️「照」
隣へ宮舘が立つ。
❤️「少し散歩しようか」
💛「え?」
❤️「外」
有無を言わせない口調だった。
照は静かについていく。
────────
スタジオ裏。
人気のない喫煙所の近く。
宮舘は缶コーヒーを一本照へ渡した。
❤️「飲む?」
💛「ありがとう」
プシュ。
静かな音だけが響く。
先に口を開いたのは宮舘だった。
❤️「好きなんでしょ」
突然だった。
照は危うく咳き込む。
💛「……何」
❤️「深澤」
沈黙。
逃げ道なんてなかった。
💛「……」
❤️「否定しないんだ」
照は苦笑した。
💛「否定できない」
その一言で十分だった。
宮舘は小さく笑う。
❤️「長かったね」
💛「え?」
❤️「気付くまで」
💛「……気付いてたの?」
❤️「最近ね」
❤️「視線が違う」
❤️「昔は”守る”だった」
❤️「今は”欲しい”になってる」
照は何も言えなかった。
全部当たっていた。
❤️「伝えないの?」
💛「無理」
即答だった。
❤️「なんで」
💛「今の関係壊したくない」
💛「嫌われたら終わりだから」
声が少し震えていた。
そんな照を見るのは珍しかった。
❤️「でも」
❤️「このまま離れる方が苦しくない?」
💛「……」
答えられない。
もう十分苦しい。
でも。
好きだと言ってしまえば。
もっと苦しくなる気がした。
────────
💜side
収録が始まる十分前。
照の姿が見えない。
「照どこ?」
🧡「舘さんと外ちゃう?」
💜「外?」
自然と足が動いた。
廊下を歩き。
非常口を抜ける。
外へ出ようとした、その時。
❤️「今のままじゃ」
❤️「深澤も傷付くよ」
宮舘の声が聞こえた。
思わず立ち止まる。
聞いちゃいけない。
そう思うのに足が動かない。
続いて聞こえたのは照の声。
💛「……分かってる」
💛「でも」
💛「俺が好きなんて知ったら」
💛「あいつ困るだろ」
その言葉だけが耳に届いた。
好き。
誰を?
その先を聞く前に、スタッフの声が廊下へ響く。
「岩本さん!宮舘さん!本番お願いしまーす!」
💜「……っ」
ふっかは慌ててその場を離れる。
聞かなかったことにしよう。
そう思った。
だけど。
“俺が好きなんて”
その言葉だけが、何度も頭の中で繰り返されていた。
そして照はまだ気付いていなかった。
ほんの少しだけ開いていた扉の向こうに、深澤がいたことを。
コメント
2件
だてー!恋のキューピットすぎるよぉ😭
ああ、この胸が苦しくなる感じ……。照くんの「今の関係壊したくない」って台詞、すごく響きました。好きだからこそ言えない、でも離れていく方がもっと苦しいって宮舘さんの指摘も鋭くて。そして最後、深澤くんが聞いてしまったあの場面——ページを閉じた後も、あの沈黙が耳に残ってます。続きが気になりすぎますね。
ゆんしょ
732
絶対辰哉
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