「……こういう時まで部長って呼ばれるのは萎えるな。名前で呼べ。――朱里」
「――――ひぅっ」
低い声が耳朶をくすぐり、私の名前を呼ぶ。
それだけで、私は彼の指を思い切り締め付けてお腹をキュンキュン疼かせた。
「ァ……あ、みこ……と、さんっ」
うっとりしたまま、私は部長の名前を呼んだ。
すると彼は褒美を与えるようにチュッと私の額にキスをした。
「朱里、こんなにココをヌルヌルにして、そんなに俺の指がイイか?」
「あぁ……っあ、いい……、です……っ、ぶちょ……、尊……さんの、指……いいっ」
ヌチュヌチュグチュグチュと、絶え間なく私の秘部からぬるついた音がする。
――と、それまで触れられなかった肉芽が、いきなりぬりゅんっと転がされた。
「っきゃああぁっ!」
「一回達け。朱里のイキ顔が見たい」
そこからはもう、地獄のような快楽が続いた。
部長はズチュグチュと水音を立て、蜜洞を指で犯しながら何度も勃起した肉芽を弾く。
敏感に膨れ上がった肉珊瑚は、さやを剥かれて直接いじめられた。
「やぁああぁっ、達く――、イッちゃ……っ」
「――朱里、俺の指を覚えて達け」
耳元で、また低い声がして私に命令してくる。
――と思うと、ぐちゅりと舌で耳孔を犯された。
「っひあぁああぁっ! あーっ! 耳やあぁっ、やぁぁっ」
私は高い声を上げ、部長の腕に爪を立てて派手に達した。
弱い場所を何度も擦られたからか、ブシャッと潮まで噴いて――人生初めて、男性に達かされてしまった。
尊さんは脱力した私を支えて湯船に浸かると、「小さいな……」と言いながら二人で温まる。
まるで恋人のように扱われ、もしかしたら愛撫されている時より恥ずかしいかもしれない。
「……達くなんて思いませんでした」
彼に背中を向けているからか、照れくさくても少し素直に言えた。
「達けただろ? 元彼が単に下手なだけなんだよ」
私はその言葉に、何も言い返す事ができなかった。
尊さんとこういう関係になる前なら、昭人を悪く言われてムッとしたかもしれない。
けど実際に分からされた今、彼のほうが正しいのだと実感した。
(……こんなに気持ちいい事を知らなかったなんて……)
――昭人とのセックスは何だったんだろう?
――相手が変わるだけで、エッチってこんなにも違うものなの?
そう思うと、ただただ不思議でならない。
「お前、もしかして元彼一人としか付き合ってないのか?」
「……悪いですか」
図星だったので、私はブスッとして答える。
「……いや。遊んでないなら他の男を知らなくて当然だけど、……もったいねぇな」
しみじみと言われて、何だか情けなくなってくる。
「……どうせ『結婚秒読み』って言われてたのにフラれましたよ」
「自虐はやめろ」
ポン、と頭に手を乗せられ、私は溜め息をつく。
「もう元サヤにも戻れないなら自分の人生を楽しめばいいだろう。結婚しちまう奴をいつまで想ってる? 二十代なんてあっという間に終わるぞ。若いっていうだけで価値を感じる男は大勢いるんだから、遊んでおいてなんぼだろ」
「遊びたい訳じゃないです。私だけを愛してくれる人と、今度こそ幸せになりたいだけです」
「セックスが上手いだけの男じゃ駄目って事か」
尊さんは半笑いで言い、それを聞いた私は引っ掛かりを覚える。
(まるで『自分じゃ駄目か』って言ってるみたい)
今は大分酔いが醒めているので、「私の事が好きなんですか?」なんて、図々しくて聞けるはずがない。
「お前の好みの男ってどんな奴? 知らんけど元彼みたいな奴?」
「……優しい人がいいです。一緒にいて安らげて、些細な事で笑い合える人」
「一般的な答えだな。金がなくて仕事もできなくていいのか? セックスが下手でも、優しければいい?」
「……なんでそんなに突っかかるんですか」
ムスッとして言うと後ろから顎を掴まれ、グイッと彼のほうを向かされる。
「フワフワした事を考えて『優しくして。痛いセックスは嫌』なんて我が儘を言ってるからフラれるんだよ」
「――――どうしてそんな事を言われないといけないんですか」
さすがにムカついて言い返すと、ギュッと乳首を摘ままれた。
「ん……っ」
痛い。――はずなのに、そこからジンワリと気持ちよさが下腹部に伝わっていく。
「まずは大人のセックスを知ってから言え」
コメント
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尊さんにそんなふうに言われたら、ねぇ、朱里ちゃん!!!🤭