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3.もしかして。
時が過ぎるのも早いもので、あっとゆう間に夏になった。
バイトは無事合格し、週3で働いている。
テストも終わり落ち着きを取り戻したクラス
太陽は眩しく私たちを照らす。
休み時間になると私は図書室に向かう。
その最中に話しかけられた。
『宮原さん。』
『平井先生?どうされました?』
『今日の放課後って空いてないか?学級委員のことで話があって』
『空いてますけど。』
『じゃ、また理科準備室に来て』
『了解でーす。』
やっぱこの人見ると首痛くなるなぁ
なんだろ。話って、
まぁ今日は部活もバイトもないし、お母さんは夜まで用事らしいからいいんだけど、
そんなことを考えているとあっという間に授業が終わる。
“キーンコーンカーンコーン
『さようならー!』
の声と同時に私は理科準備室にむかった。
“コンコン
『失礼します。』
『よく来てくれたね。ここ座りな。』
と言われ先生と向かいあわせになるソファに座る。
『なんの用でしょうか』
『えっと、あの、悩みとか、ない?』
『悩み?』
考えてみる。思い浮かぶのはお父さんが居ないことでお母さんが心配。
お母さんが最近夜になっても帰ってこない。
くらいかな。
『た、たとえばさ!かぞくのこととか。』
『ある。けど、、』
見抜かれてる?そんな事あるかな。
『なにか抱えてることがあるなら言えることだけでも伝えて欲しい。俺心配なの。お前のこと。』
込み上げてくる感情と共に涙が溢れてた。
『お父さんが…居ない。』
先生は少し目を見開いて優しく私の頭を撫でてくれた。
『そうか。つらかったな。』
夕方のオレンジ色に染った空は密かに私たちを照らしていた。
本当は辛かった。DVも嫌だけど家族が離れることが。
もうどうなってもいいと思い先生に抱きついていた。
『つらいよぉ。』
高校生なのに。ごめんね。
抱き返してくれる先生は私の話をずっと受け止めてくれていた。
『じゃあ今度宮原さんにお父さんが現れるかもね。』
『ん?どういうこと?』
目を拭い先生に問いかける。
『ひーみつ!』
『なにそれー』
こうしてふたりで話せるのが何よりも嬉しかった。
先生といる時間。それが大事になったのはいつからだろうか。